プルルルル──ある日、水族園に一本の電話がかかってきた。
「いま、カエルが大変というのはほんとうですか?」
それが“彼”からの初コンタクトだった。彼は、「ある友人から聞いたのですが……」と続けた。私は彼にカエルが抱える深刻な問題について語った。
私の話が終わると、彼は沈んだ声でこうつぶやいた。「知らなかった……。カエルの世界がそんなことになっていたなんて……」
数日後、私のもとに一通の手紙とマンガがとどいた。マンガのタイトルは、
「おねえさん と ささみくんと──さよならアンフィビアン」。ペンネームは
ノロゲンゲ。作者は電話をくれた“彼”だった。手紙のむすびには、この記されていた──「このマンガを、地球を愛するみなさんに」。その後、“彼”からのコンタクトはない。
マンガ(表紙+6ページ)は
こちらからごらんください(ページ下部のボタンでページをめくってください)。
※この物語はフィクションです。
〔葛西臨海水族園教育普及係 齊當史恵〕
※追記1:記事掲載後、ノロゲンゲさんから続編が届きました。
こちらの記事をご覧ください。
※追記2:その後の研究により、世界的に両生類への脅威となっているカエルツボカビは、東アジアでは古くから存在しており、日本の両生類は抵抗力をもっている可能性が示唆されています。
(2008年11月14日)