ミナミシロサイの「ガンコ」が残念ながら死亡しました。2004年1月19日(月)未明のことでした。原因は不明です(現在調査中)。
ガンコは1965年に南アフリカ共和国で生まれたメス。1966年8月5日、オスの「ツノキチ」といっしょに上野動物園に到着しました。日本はもちろん、アジアでも、シロサイがやってきたのはこのときが初めてです。
2頭ともおとなしく、到着時もすんなり寝室に入ってくれましたし、飼育係がデッキブラシで体をこすってやると喜ぶようになったのでした。
到着翌月の1966年9月11日から13日にかけて、それまで別々だった2頭をいっしょにしたところ、人間の心配をよそに何のの問題もおこりませんでした。シロサイがもともと温和で、また2頭とも幼獣だったからと思われます。角をつきあわせたり、追いかけっこをしたり、はたから見るとハラハラするシーンもあったそうですが、2頭にとっては遊びだったようです。
その後、園内で名前を募集し、ツノキチとガンコと名づけられました。10月1日から9日の応募総数は7,000通!だったそうです。
その後も仲良くくらしていた2頭でしたが、1997年1月4日、ツノキチが肝臓破裂で死亡しました。いつものようにガンコといっしょに放飼場で青草を食べていたのですが、昼過ぎに突然倒れ、そのまま息を引き取りました。
いつも落ちついたようすのツノキチはケンカをしてもガンコを傷つけることなどなく、ケガをするのはいつもツノキチなのでした。
ガンコの歩くようすに変なところが見られるようになったのは2003年12月。2004年1月3日以降、寒い日には外に出さないようにしました。1月18日には、一時立つことができなくなり、翌19日の朝、残念ながら死亡を確認しました。
ミナミシロサイはシロサイの亜種のひとつ。アフリカ南部にミナミシロサイ、中央アフリカにキタシロサイがくらしています。「シロ」サイといっても、体が白いわけではありません。オランダ語かアフリカーンス語の「広い」ということばが、英語の「ワイド」(広い)を経て、英語の「ホワイト」へつながってシロサイとなったと言われています。
隣にいるヒガシクロサイとくらべれば特徴的な、シロサイの幅広の口。ガンコの死亡ととみに上野動物園では見ることができなくなりました……。
・写真上──左:ガンコ、右:ツノキチ
・写真下──ガンコ
・東京ズーネット「どうぶつ図鑑」の
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(2004年01月23日)