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8年ぶり、ホフマンナマケモノの誕生
(追記:残念ながら死亡しました)
 └─2010/11/12

*下記ニュースでお伝えしたホフマンナマケモノの子どもは、2010年11月15日に残念ながら死亡しました。とりいそぎ追記いたします。(2010年11月16日)

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 2010年10月29日、上野動物園西園のホフマンナマケモノに赤ちゃんが生まれました。前回の繁殖から実に8年ぶりです。母親は「コウ」、父親は「ヒデ」です。2頭とも推定30歳の超高齢出産です。

 前回は2002年11月20日に生まれましたが、残念ながら大きく育つことなく死亡してしまいました(2002年の出産のニュースはこちら)。

 ホフマンナマケモノの展示は、動物舎から園路のイチョウの木まで枝でつながっており、出入り自由になっています。出産当日、コウはいつものように朝からイチョウの木の上にいました。どうやら、昼休み中にイチョウの木の上で生んだようで、来園者の目撃情報では、木から下りてきたときにはすでにコウの腹に赤ちゃんがしっかりとしがみついていたそうです。その後、午後1時30分には室内で胎盤を食べていました。

 ホフマンナマケモノの妊娠期間は11か月半です。昨年の今頃、珍しくヒデがコウを追尾し何度か絡み合っていたのを目撃したので、この日に交尾したと考えると、妊娠期間は354日です。

 赤ちゃんは親と違い、ビターチョコのような濃い茶色の短い毛をもっていますが、長い手足と大きな爪はやはりナマケモノらしい姿をしています。
 コウは、とてもよく面倒を見ており、赤ちゃんも順調に育っています。子どもは生まれた当日から、しっかりとした印象で、生後2日目には開眼し、生後3日目には、早くも親が食べこぼしたパパイヤを口にしていました。

 現在のところ、赤ちゃんはコウの腹に抱えられていて、ほとんど見られない状態ですが、午後に室内に帰ってくることが多く、室内にいたら赤ちゃんを見るチャンスです。自由気ままなナマケモノなので、はっきりした時間をお伝えできませんが、貴重な機会ですので、じっくりと観察してみてください。

写真上:母親「コウ」と濃い茶色の赤ちゃん
写真中:パパイヤをなめる(生後3日目)
写真下:赤ちゃんの後ろ足の爪

〔上野動物園西園飼育展示係 多田和美〕

(2010年11月12日)



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