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大空の下のオウサマペンギンたち
 └─2009/10/09

 夏など気温が高い時期、上野動物園のオウサマペンギンは、東園のペンギンプールのわきにある冷房室で生活しています。

 15~20℃に保たれた室内で、ペンギンたちは快適な生活をおくることができるのですが、問題もあります。それは運動不足です。室内での運動といえば限られたスペースを移動するだけですし、プールがあるといっても、かれらにとって十分な広さとはいえません。

 しかし、9月以降、ずいぶんと涼しくなってきました。そこで、少しでも運動不足を解消させようと、気温が低い日にはオウサマペンギンたちを屋外プールへ出すようにしました。

 約5か月ぶりに外に出て、かれらは落ち着きなく陸地をウロウロと歩き回っていましたが、10分もたつと落ち着きを取り戻し、いつもの場所(プールに張り出した陸地)で休み始めました。

 しかし、その中でいつまでもウロウロし、ケープペンギンの巣穴を覗き込んだり、巣の裏に回り込んだり、落ち着きのない個体が1羽います……。それは「ウララ」です。じつは、昨年(2008年)生まれのウララは、本格的に外のプールに出るのは初めてなのです。

 見知らぬ世界、見慣れぬケープペンギン。ウララは楽しんでいるのでしょうか? はたまた不安なのでしょうか? 1羽だけ集団から離れ、フラフラ……、ウロウロ……、そしてケープペンギンに怒られる。そんな光景をよく目にします。ウララ以外のオウサマペンギンも、運動不足でなまった体を解消しようするかのように、プールで勢いよく泳いでいます。

 一方、オウサマペンギン不在の約5か月間、プールを悠々と使っていたケープペンギンたちは、少々迷惑に感じているのかもしれません。フィーディングタイム(餌やりの時間)になると、オウサマペンギンの勢いに負け、すぐに水から出てしまう個体や、なかなか入水できない個体が見られます。(オウサマペンギンが水から上がると、ケープペンギンが水に入り、プール内に沈んだアジを食べていますので、ご心配なく!)

 現在、上野動物園の東園ペンギン舎では、オウサマペンギンとケープペンギンの関係がごらんになれます。ぜひ、足をお運びください!

オウサマペンギンのひな、名前を募集!(2009年03月10日)

オウサマペンギンのひな、名前決定!(2009年04月10日)

オウサマペンギン「ウララ」の換羽始まりました(2009年05月15日)

※真ん中の写真:右翼にピンク色のリングがあるのが「ウララ」

〔上野動物園東園飼育展示係 齋藤圭史〕

(2009年10月09日)



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