2025年7月22日、葛西臨海水族園の「東京の海」エリアにある「小笠原の海4」水槽で展示していたアオウミガメ2個体を小笠原に搬出しました。成長した2頭にとって水槽が狭くなってきたためです。
このアオウミガメは2023年9月25日に小笠原諸島の母島から搬入された個体です。搬入時の甲羅の縦の長さは約6.4cm、体重は約46gでしたが、搬出時には約43cm、体重約10kgにまで成長しました!

搬出準備のようす
船で小笠原へと向かい、体調を確認したのちに海へと帰っていきました。小笠原の海で元気に育ってくれることを祈るばかりです。

小笠原の海に帰っていくアオウミガメ(写真提供:下條敬明氏)
そして7月27日、今回も小笠原諸島の母島より、新しいアオウミガメ2個体がやってきました。

搬入したてのウミガメ
他の生きものと同様、アオウミガメも搬入後すぐに展示、というわけにはいきません。環境やえさに慣れさせたり、寄生虫の検査をクリアしたりする必要があります。
やってきたばかりのアオウミガメたちは甲羅の縦の長さが約6cm、体重は約45gと小さく、えさも小さくして与えなければなければなりませんでした。

細かくしたキビナゴとサクラエビ。サクラエビは喉に詰まらないように殻をむいている
搬入したばかりのアオウミガメがえさを食べてくれるか心配でしたが、われわれの不安をよそにすぐに食べ始めました。
その後、えさや環境にも慣れ、寄生虫の検査も無事にクリアし、8月20日、ついに2階の通路から見える、「小笠原の海4」の小水槽でアオウミガメの展示を再開しました!

小水槽で泳ぐアオウミガメ
展示直後は水槽に慣れないようすで、外に向かって泳いだり、狭い隙間に挟まったりもしていましたが、最近は慣れてきたのかゆったりと浮いている姿をよく見かけます。
9月10日現在、甲羅の縦の長さは約10cmになり、体重も約170gと順調に増えています。えさの量も最初の5gから3倍以上の17gにまで増えました。えさもサクラエビは殻つきで食べられるようになり、サクラエビやキビナゴに比べて少し硬いアマエビやアジも与えるようになりました。

細かくしたアマエビ、キビナゴ、サクラエビ、アジ。最初に比べて種類と量が増えた
ある程度成長したら、1階の本水槽にデビューします。これからもどんどん大きくなるアオウミガメ。成長を見守ってください!
〔葛西臨海水族園飼育展示係 山中春佳〕
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