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アオウミガメ──成長にはえさやりの工夫が肝心!
 └─ 2022/01/14
 2021年10月から「東京の海」エリア、「小笠原の海4」水槽の2階、キャットウォークから見える小水槽でアオウミガメの子どもを2頭展示しています。今回はこの子ガメへのえさやりの工夫についてご紹介します。


38号小水槽

 このアオウミガメは2021年7月に小笠原諸島母島で孵化し、1ヵ月ほど現地で飼育されたのち、水族園にやってきました。当時の子ガメはまだ小さく、甲羅の縦の長さが約6㎝、体重40gと手のひらに乗るほどでした。


水族園にやってきたばかりのころのアオウミガメ2頭

 水族園ではアオウミガメのえさとして、サクラエビやアマエビ、アジなどを与えています。一回に与える量は子ガメの体重の10%を目安に計算し、最初は4gから始めました。孵化してからしばらくのあいだは上手に潜水できないため、水深が深い水槽では底に落ちたえさを食べることができません。また、えさが大きすぎるとうまく飲み込めず、のどに詰まらせてしまうことがあります。そのためえさやりには特に気を付けました。

 まず、どれくらいの大きさならば食べることができるのかを確認しました。上記のえさを子ガメの口の大きさに合わせて、コメ粒ほどの大きさにそろえて細かくし、準備しました。えさを口の近くに差し出したところ、問題なく食べることができました。次に、潜水して底に落ちているえさを食べる練習をしました。最初は水深5cmの水槽で練習を始め、徐々に水深を深くしていくことで、今では水深30cmの展示水槽でも泳いで食べられるようになりました。

 子ガメがえさを見つけてから、くわえて飲み込むまでを注意深く観察し、飲み込んだことを確認することができて、はじめて飼育担当者である私はやっと「よし、ちゃんと食べた!」と安心することができます。

 現在(孵化後約5ヵ月)は甲羅の縦の長さが約18.5cm、体重約1kgまでぐんぐん成長し、このまま順調に成長すれば、来春にはほかの魚が泳ぐ大きな水槽で展示することができそうです。今後の成長にご期待ください。


成長したアオウミガメ2頭(孵化後5ヵ月)

〔葛西臨海水族園飼育展示係 加藤舞〕

(2022年01月14日)



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