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続・新たな視点で見てみると(28)
 カツオの卵発生
 └─2011/07/08

 前回の「続・新たな視点で見てみると(27)──カツオの産卵」はお読みいただけたでしょうか?

「続・新たな視点で見てみると(27)──カツオの産卵」

 葛西臨海水族園の水槽で産卵された卵はどうなるのでしょうか? ほとんどの卵は、飼育水をきれいにするフィルターに吸われて取り除かれてしまいます。一部の水槽では魚の健康状態を把握するなどのために卵を回収してチェックしています。前回産卵されたカツオの卵も、回収して顕微鏡でその発生を撮影してみました。

◎カツオの卵割動画
 WindowsMedia形式 QuickTime形式

 カツオの卵は一粒一粒がバラバラに分かれて水に浮くタイプの「分離浮性卵」と呼ばれる卵です(ビデオでは卵が動かないように、たくさん集めて撮影しています)。直径は1ミリメートルほどで、中央に水より軽い小さな油の玉「油球」(ゆきゅう)があります。産卵されたばかりの卵には、油球のほかにハッキリと見えるものはありません。

 やがて、モヤモヤとしていた細胞質(将来、仔魚の体になる部分)のまわりにくっきりと輪郭が見えてくると、第1回の卵割が始まります。産卵から1時間後に2細胞期、2時間後には8~16細胞期、3時間後に64細胞期になりました。そして、30時間後にはピクピクと体を動かすようになり、40時間後には心臓も力強く拍動していて、孵化も間近です。

 泳ぎ続けるカツオ・マグロのなかまを育てることはなかなか難しいのですが、水族園では孵化したカツオの育成にも挑戦しており、2010年には全長5センチメートルほどまで育てることがやっとでした。これからも引き続き努力し、将来、水族園生まれのカツオをぜひみなさんに見ていただきたいと考えています。

写真上:2細胞期のカツオの卵
写真下:孵化間近の卵

〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕

(2011年07月08日)



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