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続・新たな視点で見てみると(24)
 意外と身近にいたオオグチボヤ
 └─2010/11/19

 前回(深海でナマコがジャンプ!)、前々回(深海のアナゴドリル?!)と、海洋研究開発機構(JAMSTEC)主催の広報航海(「博物館・水族館との広報連携航海(NT10-15)」)で出会った生き物を紹介しているこのシリーズ。今回がひとまず最終回です。

※ナマコの記事
※アナゴの記事

 最後を飾る生物は「オオグチボヤ」です。変な生き物として、本などで紹介されたこともあるのでごぞんじの方もいらっしゃるでしょう。

 オオグチボヤと私の出会いは10年前にさかのぼります。研修に赴いたアメリカのモントレー湾水族館で飼育・展示されているのを見て、「深海にはなんて不思議な生き物がくらしているんだ! 葛西臨海水族園でも展示したい!」と感じたのをよく覚えています。

 その後、JAMSTECの調査で富山湾の深海に群生していることが発見されたと知り、「日本でも入手できる、展示ができるかも!」と気持ちが高まり、2008年におこなわれた前回の広報航海(NT08-21)で相模湾での生息状況が撮影されました。水平距離的にはだいぶ水族園に近づいてきましたが、残念ながらいまだ展示には至っていません。

 今回の映像は相模湾の水深740メートル付近で群生して発見されたオオグチボヤです。ハイパードルフィンが起こした水流で縮こまってしまったのですが、観察しているうちにみるみる伸びてきて、最後にはその名の通り「大口」を開けてくれました。

※NT10-15は「なつしま」2010年の15番目の航海、NT08-21は「なつしま」2008年の21番目の航海を表しています。

※オオグチボヤの動きをとらえた動画を下記リンクでごらんください。
 Windows Media形式QuickTime形式

※協力:独立行政法人海洋研究開発機構[JAMSTEC]

〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕

(2010年11月19日)



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