こちらのニュースでお知らせしたとおり、私は「海洋研究開発機構」(JAMSTEC)の無人探査機「ハイパードルフィン」を使用した深海調査のため、沖縄県宮古島の南東沖まで来ています。
「ハイパードルフィン」と母船の「なつしま」は、油圧モーターを動かすための電力やハイビジョンカメラの映像、マニピュレータを操作するための信号などをやり取りするためのケーブルでつながれています。そのおかげで、パイロットや研究者は母船上のコントロールルームで深海のリアルタイムの映像を見ながら、生物の採集などの操作ができるのです。
現在、深夜2時50分。眠い目をこすりながらこの文章を書いています。前線が近づいているようで、船が揺れ始めました。
これまでの2日間、「ハイパードルフィン」は深海底に1日2回潜航しています。そのたびにさまざまなサンプルが回収されてきます。研究者はこの貴重なサンプルで実験をおこない、生きている生物は水槽に収容し、とても小さな生き物まで種類分けを行い、記録写真を撮り、標本にしていきます。
「ハイパードルフィン」が上がってくるたびにこの作業があるので、前回分のサンプル処理が終わる前に、次のサンプルが上がってきてしまうといった状態です。
明日は少し天候が悪いようで、1潜航しかできない予定ですが、おもしろそうな生物が期待できる場所です。私も明日に備えてベッドに入ります。(ちなみに船室は2段ベッドが2つの4人部屋です。)
写真上から:
・深海に向かうハイパードルフィン
・みんなが見つめるその先には……
・コントロールルームのマルチモニター
・貴重なサンプルを回収しました
*協力:独立行政法人海洋研究開発機構[JAMSTEC]
*船上からのメール容量の関係で、今回の「続・新たな視点で見てみると」は、静止画のみの「号外」としてお伝えします。
〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕
(2010年04月23日)