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強い毒をもつアカクラゲ
 └─2010/04/02

 葛西臨海水族園では、「伊豆七島4」と「アマモ場」の水槽のあいだで「アカクラゲ」の展示を始めました。アカクラゲは、オレンジ色の傘に赤い筋模様が入った、とても美しいクラゲです。傘の内側から伸びる口腕(餌を口に運ぶ器官)は、長いもので1メートルにもなります。水槽の中を漂う優雅な姿は、見ているだけで癒されます。

 しかし、クラゲには「刺胞」という恐ろしい毒針があります。魚のようにすばやく泳ぐことのできないクラゲたちにとって、刺胞は餌を捕まえるための大事な道具なのです。(刺胞については、2008年3月に掲載したニュース「チクリ!……犯人は誰だ!?」をごらんください。)

 刺胞の威力はクラゲの種類によって異なります。人が刺されたときの症状は、その人によってさまざまで、皮膚がかぶれたり、頭痛が起こったり、ひどい場合は、ショック症状が起きたりすることもあります。アカクラゲも強い刺胞毒をもっていますが、たいていはかぶれる程度です。しかし、刺胞毒にはアレルギーを起こす物質も含まれているようで、一度刺されて何も起こらなかった人でも、何回も刺されると体が毒に対して過剰に反応し(アナフィラキシー)、死亡する例もあるそうです。

 アカクラゲは、冬から春にかけて見られ、浜辺に打ちあげられていることもあります。プヨプヨしていて、つい触りたくなりますが、刺胞はクラゲが死んでいても刺さることがあります。むやみに触らないよう、注意してくださいね。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 鈴木聡子〕

(2010年04月02日)



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