井の頭池には、早くも冬の訪れを告げる渡り鳥が飛来しました。2012年10月7日には、井の頭自然文化園水生物園内のハクチョウ池でオナガガモ1ペア、翌8日には池の北側(通称お茶の水側)でオナガガモ6羽、キンクロハジロ6羽を確認しました。
2011年は、オナガガモが10月5日、キンクロハジロが10月8日に初確認されていますので、つい最近まで暑かった東京ですが今年も昨年とほぼ同じ時期に飛来しています。
7日に確認されたオナガガモのペアは、昨年も飛来して学習しているからなのか、早くもサカツラガンを展示している放飼場に侵入し、飼育鳥用の餌をあさり、「招かれざる客」ぶりを発揮しています。しかし、長旅のせいか体がほっそりしているようにも見えます。
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「招かれざる客[2]オナガガモとカルガモ」(2011年11月26日)
8日に確認された鳥たちは、同じ群れで渡ってきたのか、それぞれ6羽ずつ一緒になって行動しています。
昨年確認された渡りでやってくるカモ類では、ハシビロガモ、ヒドリガモ(極めて少数)がいますが、昨年の記録から予想すると11月以降に飛来すると思われます。
一方、留鳥のカルガモは、今まで井の頭池を独り占めにしてきましたが、しばらくの間、激しい餌の争奪戦に巻き込まれていきます。また、オシドリは9月には最大5ペアが確認できましたが、10月になってからどこかへ行ってしまったようです。
これから、来年の4月まで井の頭池は渡り鳥たちでにぎやかな季節を迎えます。
写真:10月8日に飛来したオナガガモとキンクロハジロ
〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 池田正人〕
(2012年10月12日)