ニュース
キュウシュウノウサギの展示を始めました
 └─2011/04/22

 2011年3月3日、井の頭自然文化園に北九州市「到津の森公園」からオス1頭、メス2頭のキュウシュウノウサギが搬入されました。展示準備はかなり前から進めていたので、検疫が終了後3月25日、展示場に出してようすを見守りました。震災のため休園していた期間中で、静かなデビューでした。

 展示舎はカピバラの隣にあります。草や木を植えてなるべく自然の環境に近づけるとともに、繁殖や隠れるための巣箱を設けました。ノウサギはとても臆病な動物なので、驚かせて激突などしないよう気をつけていました。お隣のカピバラがノウサギに興味を示し、網越しにのぞき込むので、驚かせてしまうのではないかと心配しましたが、問題はないようでした。

 巣箱などに入って見えなくなるかと思っていたのですが、ほとんど箱には入らず、3頭一緒に見えるところにいます。展示場中央には、ときどき草やペレットを食べに出てくるので探してみてください。また、近くで飼育しているカイウサギと比べてみるのもよいかと思います。

 オスは2010年4月生まれ、メスは2009年5月生まれと2010年4月生まれで、今後の繁殖を期待しています。ノウサギたちは観覧側から飼育係が見ているときは落ち着いているのですが、少しでも動物舎の中に入ると驚いてしまいます。動物舎の中でなければ、どんなに近くに人がいても危険ではないとわかっているのでしょうか?

 ノウサギは、おもに夜活動するので野生ではなかなか見ることができません。ぜひこの機会に動物園でごらんください。

 園内「ヤマネコ舎まえケヤキしたのちいさなおうち」では、ちいさな企画展「ノウサギをみたことがありますか?」を開催中です。福島県天栄村のノウサギを例に、そのくらしぶりや数が減りつつある現状を、標本や解説パネルで紹介しています。こちらもあわせてごらんください。


ちいさな企画展
講演会「知っているようで知らないウサギとネズミのお話」

写真上:キュウシュウノウサギ
写真下:隠れ場所を多く設けた動物舎、ウサギを探してみよう

〔井の頭自然文化園飼育展示係 横田修〕

(2011年04月22日)



ページトップへ