カリブ海

カリブ海は、珊瑚がとてもきれいだったよ。
珊瑚は,暖かくて太陽の光が充分あたる浅い海でくらす“生き物”なんだ。 イソギンチャクの仲間で“刺胞動物(しほうどうぶつ)”っていう種類で、 成長もするし、卵も産むんだ。 珊瑚につく特別な藻が光合成を行って、 その光合成によってできた酸素や栄養分で、珊瑚は育っていくんだ。 珊瑚礁っていうのは、珊瑚の死骸が水中で積み重なってできた、 岩のようなもの。 珊瑚は、いろいろな色や形をしていて、海中のお花畑のようなんだ。 ピンク・白・オレンジ・緑・紫・・・。 そして、お花畑に蝶々が舞うように、 ここでもカラフルな魚たちがたくさんくらしているんだよ。 きっと、保護色を利用して、敵から身を守っているんだね。


(珊瑚→1F カリブ海)


カリブ海に、ブルータングっていう青い魚がいてね、
「子供の頃は黄色だったの。でも、大人になったら青くなったのよ。 黄色の時もよかったけれど、青もステキでしょ? それに、泳ぎ方も上下に波打つ様に進むの。 あまり速く進めないけれど、波のうねりが強くて、 海底がデコボコしている所に適しているのよ。 まあ、ここは水族園の中で、お見せする事ができなくて、残念だけど・・・ この色といい、泳ぎ方といい、きっと私たちって、 海の妖精なんじゃないかしらって、思うの。 あなたもそう思わない?」
ボクにはよくわからないので、 「う、うん。そうかもしれないね」って言いながらサヨナラをしたんだ。
でも、とにかくカリブ海はキレイだったよ。


(ブルータング→1F カリブ海)

深海の生物

あれあれ、急に夜になっちゃった・・・ と、思ったら、ここは深海だ。
真っ暗で、よく見えないし、水も冷たい・・・。


ゴッン!!

「おいおい痛いじゃないか。気をつけてくれたまえ」

ボクがぶつかってしまったのは、小さいアンコウだった。 顔が怒っていたから、とても怖かったけど、 「こういう顔だから、気にしないで」だって。よかった・・・。 オスはメスよりも体が小さくて、 あまりアンコウらしい体つきをしていないんだって。 てっきり、ボクはオスのアンコウとぶつかったと思っていたんだ。 見た目で判断したらいけないって事だね。 オスは、メスの体にかみついて栄養をとっているそうだよ。 何だか、苦労が形相にでたっていうのかなぁ・・・。


(ミドリフサアンコウ→1F 深海)


海岸から水深200メートルまでを、大陸だなといい、 200メートルより深い海を深海というんだ。 深海は太陽の光がたくさん届かないし、 エサも少ない場所なんだ。 だから、深海でくらす生き物は、 少しでも光を多く取り入れるため、大きい目をもっていたり、 ヒゲや触覚などが発達していたり、 胃や口を大きくして、一度に沢山食べられるようにしているんだ。 それぞれ、工夫して生きているんだね。

北極・南極の海

深海の次は、北極・南極の海。
ここは、深海よりも水温が低くいんだ。 こんなに冷たい海でくらしていて、凍ってしまわないのかな。
「割りと平気さ。 特殊なたんぱく質をもっているから。 それに、冷たい海は、結構栄養分が豊富なんだよ。 どう? しばらく暮らしてみない?」って、 ブルヘッドノトセンがさそってくれたけど、ボクは遠慮して出てきちゃった。


(ブルヘッドノトセン→1F 南極海)


(1F 北極海)


「世界の海」はここで終わり。 ここからは、ぐっと身近な海のお話だよ。


渚の生物

廊下を進んでいくと、波の音がしてきて、とても懐かしい気持ちがしたよ。 なぜだろう・・・。人間も、そう思うのかなぁ。

渚はね、海の一部分で、人間にとっても、とても身近な海。 海と陸、両方の玄関みたいな所。 つまり、ボクたち海の生き物と、 陸の生き物をつなぐ入口なんだ。



(1F 渚の生物)


ここでは、波の様子や、潮溜まり、岩場などにすんでいる生き物が、 とても近くで見れるし、触る事もできるんだよ。

「そうなんだ。 ボクたちヒトデやウニが、交代でタッチコーナーにいるよ。 持ち方や、触り方を間違える人がいて、時々危ない目にあうけれど、 でもね、僕たちを知ってもらうのはうれしい事だから、触って欲しいなあ」
「うん。うん。そうだね。ボクなんて、おしりまでみせちゃうよ」




(1F 渚の生物)


ヒトデとウニは、色も形もちがうけど、同じ仲間なんだ。 そして、ヒトデは、体の一部がちぎれても、 自分で再生させる力を持っているんだ。 うらやましいな。

あれ、渚を抜けたら・・・海だ! 東京湾が一面に広がって見える。

そして、ここで毎日海を眺めて暮らしている白と黒で、ヨチヨチ歩くのは、 えっと・・・・・そうだ、ペンギンだ。

ペンギンの生態

へー、ペンギンにもいろいろ種類があるんだね。

「そうよ。 みんなそれぞれ、住んでいた所も、大きさも違うのよ。 ワタシは“イワトビペンギン”。 岩から岩へ、飛び移るのが得意なのよ。 よく、「飛びっぷりがいいねエ」なんて、ほめられちゃうの」



(イワトビペンギン→1F ペンギンの生態)


「ワタシは“フェアリーペンギン”。 フェアリーって意味、ご存知? “妖精(ようせい)”って事なのよ。 つまり可愛いとか、そんな意味ね、きっと。 ほら、ペンギンの中でも一番小さいし、 こんなに愛らしい姿をしているから きっと自然についた名前なんだわ。うふ。 暖かい所にすんでいたから、寒がりなの。 たいてい仲良く“おしくらまんじゅう”して、温まってるの」


(フェアリーペンギン→1F ペンギンの生態)


「ボクは“フンボルトペンギン”。 “フンボルト”っていうのは故郷の海流の名前なんだ。 “フン”がついているけど、 別に深い意味はないと思うよ。たぶんね・・・。 ボクらは、ズーストック種に指定されているんだ。 がんばって、ドンドン増えるぞ!!」



(フンボルトペンギン→1F ペンギンの生態)


3種類のペンギンたちは、少しだけボクに話し掛けてくれた。 そして、また遠くを見つめながら、じっとしていたよ。
何を見つめているんだろう・・・。
この青い空を、飛んでみたいなぁ・・・とか、
あの海の向こうには、何があるのかなぁ・・・とか、
今ごろミッキー踊っているだろうなぁ・・・って事だろうか?


海藻の林

ペンギンたちにお別れをして、再び館内に入ると、 不思議な水槽があったんだ。

ゆらゆら、たぷたぷ、陽の光をたっぷり浴びて、漂っている大きな海藻。 この水槽のメイン、ジャイアントケルプだ。


(ジャイアントケルプ→1F 海藻の林)


「やあ、よく来たね。 今ね、水中の栄養分と二酸化炭素を取り入れて、 酸素を放出して、水をキレイにしているところなんだよ。 キミも、他の魚たちの様に、ゆっくりしていくといいよ」
とってもお日様の匂いがする水槽だったなぁ。


(ジャイアントケルプ→1F 海藻の林)


そうそう、東京にも魚が住めるような海があるって事、知ってた?
この東京湾から伊豆七島や小笠原諸島。 「世界の海」に負けないくらい、キレイな魚たちがいるんだよ。
どんな魚がいるんだろう・・・。