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動物管理事務の仕事紹介──「個体カード」と「飼育動物一覧表」
 └─ 2024/03/29
 動物園には日々いろいろな電話がかかってきます。たとえば、お客さんから「◯◯(動物種)は何頭いますか?」と電話で聞かれることがあります。そんなときに私たち調整係では、「飼育動物一覧表」を用いて答えています。また、「◯◯(動物種)の⬜︎⬜︎(個体名)は何歳ですか?」と質問された場合は「個体カード」を用いて答えています。

 飼育動物一覧表は月末の動物種数と動物数をまとめ、一覧表にすることで、それぞれの種が一目でオスとメス何頭ずついるのか、合計で何頭いるのかを確認できるようになっています。同じ種が園内の複数か所で飼育している場合は、各動物舎に何頭ずついるのかもわかるようになっています。


ある月の飼育動物一覧表

 月末になると、飼育担当者から4種類の紙と各動物舎に何の動物が何頭飼育しているかが書かれた「員数表」が調整係に提出されます。4種類の紙は、それぞれ伝えたい内容によって使い分けられます。

 担当動物が繁殖したときやほかの動物園などから来たときに提出される増加票、通称「青紙」。担当動物が死亡したときやほかの動物園などへ移動するときに提出される減少票、通称「赤紙」。担当動物が園内のほかの動物舎に移動するときに提出される移動票、通称「黄紙」。新しい標識を装着したときや性別が判明したとき、命名したときなど個体情報の変更や追加をしたいときに提出される、通称「白紙」。

 調整係では、毎月これらを員数表と照らし合わせ、報告に漏れがないか動物の増減の把握に努めています。その後、人間でいう戸籍のように動物1頭1頭の情報が個体カードに記入されます。


個体カード

 個体カードには名前、性別、生年月日、動物園に来た日、どの動物園などから来たのか、両親、飼育場所などが記載できるようになっており、最終的には死亡日や死因、何年間当園で飼育されていたかも記入されます。ほかの動物園などに搬出された場合は搬出日や搬出先が記入されます。

 このように調整係では、飼育担当者から提出された情報をまとめ、これらの重要な情報を間違いなく記載した飼育動物一覧表と個体カードを用いることで、みなさまからの日々の質問にきちんと対応することができるのです。

 個体カードについては、飼育の日のパネル展「しいくレット~動物園の仕事のひみつ~」でも紹介されています。また、こちらの「動物園の裏のお仕事紹介 動物管理事務」もあわせてごらんください。

〔多摩動物公園調整係 浅川〕

(2024年03月29日)



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