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動物園の裏のお仕事紹介「動物管理事務」
 └─2016/04/15

 動物園で飼育している動物の数は日々変化します。生まれる動物がいれば死亡する動物もいますし、他の動物園から来る動物も、逆に出て行く動物もいます。

 そんな動物たちの数を把握し、個体情報を管理するのも動物園の大事な仕事の一つです。多摩動物公園では「調整係」という係がこの仕事を担当しています。

 では調整係はどのようにして動物の数の増減を知るのでしょうか? 動物の数が増えたり減ったりしたときには、飼育担当者が「担当動物増加票」、もしくは「担当動物減少票」(用紙の色からそれぞれ「青紙」「赤紙」と呼んでいます)を調整係に提出します。調整係はこの青紙、赤紙で動物の増減を知るのです。


個体情報管理のための書類

 また、飼育担当者は毎月末に、どこの動物舎にどの動物が何頭いるのかということを示す「員数表」(いんずうひょう)を作成します。調整係はこの員数表と提出された青紙、赤紙を照らし合わせて間違いがないかを確認し、月末の動物種数と飼育数を一覧表にまとめます。飼育数についての質問には、この一覧表をもとにお答えしています。

 月末の飼育数についてまとめたら、増えた動物の「個体カード」を作成します。個体カードには生年月日のほか、名前、性別、標識、マイクロチップ番号、両親の情報、受入先、血統登録番号、飼育している動物舎名など、さまざまな情報が記入されています。

 まずは提出された青紙をもとに個体カードを作成するのですが、その後追加すべき情報があった場合は、「飼育動物 個体カード記載事項 変更・追加記入票」(白紙)を提出してもらい、調整係が個体カードに記入をします。また、園内で飼育する場所が変わった場合は、「担当動物園内移動票」(黄紙)を提出してもらいます。

 このように、個体カードには常に最新の情報が反映されるようにしています。おりしも季節は春。繁殖の季節で飼育担当者が忙しいのはもちろんですが、調整係にもたくさんの青紙が届いて忙しい時期になるのです。

〔多摩動物公園調整係 中澤洋子〕

(2016年04月15日)


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