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餌場(えさば)の助っ人
 └─ 2023/12/01
 多摩動物公園では、たくさんの動物が飼育されていますが、種によって食べるものが違います。そのため、さまざまな業者から野菜や魚、青草など、何百種類もの食材を届けてもらっています。

 そのなかでも、野菜や果物は動物の食性に合わせて細かく切ったり加工する必要があるため、飼育係だけでは手が回りません。そこで、強力な助っ人たちにお願いしています。シルバー人材センターから派遣されている6名、通称“シルバーさん”です。休園日であっても動物園に休みはないので、1日3人体制でシルバーさんたちにも365日ローテーションで出勤してもらっています。

決められたえさの量を重量計で計測
山積みの小松菜を相手に千切り作業

 シルバーさんに日々の業務についてお聞きしました。

 「飼育係の要望に沿って量や切り方を変えていますが、それぞれ動物によってまったく異なるので、覚えるまでがとても大変です。たとえば、ネズミ用にさつま芋を1cm角に切るのですが、新たにタヌキ用を依頼されたときには1.5cm角にしないといけないなど。大きさの指定もちゃんと飼育係が考えたうえでのことなので、意味があります。だから間違えないよう常に頭を使いながら作業しています。
 作業時間外に園路から動物を見に行ったりすることもあります。自分たちが切ったえさを園の動物たちが食べているようすを見るととても感慨深いですね。やりがいを感じます。
 また、飼育係から『ありがとうございます!』とお礼を言われるとやはりうれしい気持ちになります。『なんでも要望にお応えします!お任せください!』と、はりきってしまいます。」


えさの準備をする調理場、通称「餌場」(えさば)

 淡々と業務をこなすのではなく、熱い想いを胸に秘めてお仕事をしてくれていると思うと、うれしい気持ちになります。職員が気づかないようなところも注意深く気づいてくれたり、よりよくするためにいろいろ考えてアドバイスをくれたりと、私たちにとってシルバーさんたちの存在はかかせないものになっています。

〔多摩動物公園調整係 香取〕

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(2023年12月01日)



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