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動物園のえさ(飼料)担当の仕事
 └─ 2018/05/18

 多摩動物公園では哺乳類から昆虫まで約300種の動物たちを飼育しており、飼育係が与えるえさ(飼料)を食べています。これら園全体のえさの調達・管理を、飼育展示課 調整係 飼料担当がおこなっています。

 この仕事で重要なことは、当たり前ですが、まず、動物たちが必要とするえさを欠かさず用意することです。飼育係が要求するえさの量を種類ごとに合計して業者に発注し、納入してもらいます。
 納入の間隔は種類によって毎日、週1回や2週に1回などさまざまです。納入場所もウォッチングセンター2階の調理場だったり、ものによっては動物舎だったりします。調達するえさの種類は野菜、果物、肉、魚、固型飼料(ペレット)、牧乾草など、100種類以上になります。

 次に大切なことは、貯蔵しているえさを管理することです。納入されるえさは、当日にすべて使うものばかりではありません。2週に1回納入される固形飼料は、倉庫で温度や湿度の管理をしています。また、冷凍の肉や魚は冷蔵庫で解凍して徐々に使います。調理場に保管してみんなで使うものについては、在庫量の管理もします。

毎日納入される野菜や果物
倉庫で貯蔵されるえさ(飼料)

 そして、一部のえさは動物ごとに分けておきます。たとえば、魚のアジは5人の飼育係が使うので量を計っておき、飼育係がすぐに使える状態にするのです。

 さらに、えさの下準備もします。下準備とは卵をゆで卵にしたり、サツマイモを蒸して蒸かし芋をつくったりすることです。ゆで卵であれば週に3回、1回あたり60個つくります。蒸かし芋であれば毎日、5kgつくります。

 そのほか、動物の健康に配慮した品質を保つことも大事です。基本的には人間の食品と同等のレベルの品質のものを購入しています。また、限られた予算の中で購入するよう、費用の面にも気をつかっています。

 えさが飼育係によって調理されていく手前までが私たち飼料担当の仕事です。今回は動物園の裏方の仕事を紹介しました。合わせて、こちらの「 動物園の台所『餌場』」もぜひごらんください。

〔多摩動物公園調整係 井上邦雄〕

(2018年05月18日)


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