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新居では初! ベテランお母さんキリンの出産
 └─ 2023/07/21
 2023年7月3日、多摩動物公園で飼育しているキリン「ユリア」(メス)にメスの子どもが生まれました

 子どもの名前は「ユウノ」です。母親ユリアの名前の頭文字「ユ」と、新キリン舎で初めて生まれた子ということで、スペイン語で“1”を意味する「ウノ」を組み合わせて、この名前を付けました。ベテランのお母さんキリンのユリアにとっては、今回が6回目の出産になります。

 2022年9月23日に新しいキリン舎への引っ越しを完了し、今回が新居での初めての出産でした。


産室ですごす親子(左:ユウノ、右:ユリア)
(撮影日:2023年7月4日)

 妊娠したキリンは、出産時の母子の安全のため、出産予定日の1か月ほど前に群れから離れて子どもを産む部屋(以下「産室」)で出産の準備をします(産室についてはこちらの記事をご覧ください)。

 産室へは飼育係がえさで誘導し隔離します。産室はキリンたちがすごす広い寝室の隣にありますが、ふだんは扉を閉めているため、いつもと違う室内の状況に警戒し、産室に入ることを躊躇してしまうのではないかと心配しました。

 そんな心配をよそに、ユリアは10分ほどで産室に入り、室内に設置していたシラカシの枝葉を食べ始め、その日の夕方には、部屋の中央で座って休んでいました。想像以上の落ち着きぶりに驚きましたが、無事に隔離が完了し、安心しました。

 新キリン舎の産室は旧キリン舎と比べて広く、また扉越しにほかのキリンたちを確認しやすいためか、ユリアは群れが運動場に出て離れている時間も不安そうなそぶりは見せず、出産までの約1か月間落ち着いてすごしていました。ユリアのようすはとてもゆったりとしており、ほかのキリンに邪魔されず自分のペースでえさを食べることができる快適な環境を満喫しているように見えました。

 出産当日の朝、キリンたちのすごす広い寝室を見ると、産室の扉前に好奇心旺盛な年ごろのキリン6頭が室内をのぞきこむようにして集まっていました。「これはもしかして」と、産室を確認してみると生まれたばかりのユウノはすでに立ち上がっており、ユリアは子どもの身体を舐め、しっかりと世話をしていました。すぐに授乳も見られ、母子ともに健康が確認できました。


親子のいる産室をのぞきこむキリンたち(出産翌日撮影)
(撮影日:2023年7月4日)

 出産翌日には、産室の扉を開放にすると、ユリアがユウノを促すようにして親子で広い寝室へ出ていきました。最初ユウノはユリアのそばを離れないように歩いていましたが、慣れてくるとユリアから少し離れて1頭だけで歩き回り、好奇心旺盛な姿が見られました。

 群入りまでの1か月~1か月半のあいだは扉や柵越しにほかのキリンたちと交流し、お互いに時間をかけて慣れていきます。今しか見られない群入り練習のようすをぜひ見に来てください。


柵越しにキリンたちと交流する親子
(撮影日:2023年7月5日)

〔多摩動物公園北園飼育展示係 塩澤〕

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