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【更新】タスマニアデビル「テイマー」の健康状態
 └─ 2023/06/21(10/09更新)
2023年10月9日更新:
 多摩動物公園で飼育しているタスマニアデビルの「テイマー」(オス、7歳)は、当日の体調などを考慮しながら、運動場と室内を自由に出入りする日と、室内で終日すごす日があります(室内のようすはモニターで展示しています)
療養のため、モニターでの展示も含め、展示を中止します。


タスマニアデビル「テイマー」
(撮影日:2023年6月17日)

経緯

 テイマーは2016年4月19日生まれで、同じくオスの「ダーウェント」(2023年1月2日死亡)とともに2017年11月に来園しました。

 テイマーは2022年の夏に下半身が大きくよろめく症状が出始めました。食欲やほかの部分には異常が見られず、自由に動けるように行動制限はせずに経過を見ることにしました。秋には高所に登ると落下の危険性が増したため、スロープにガードを付けました。あわせて症状の進行を緩やかにすることを期待してサプリメントをあたえるようになりました。

 2023年6月現在、両後肢に力が入らないようで、うまく歩行ができなくなり、室内から外に出る時間が極端に短くなりました。えさを食べるにも座った姿勢が維持できず、小さく切ったものをあたえないと食べられなくなってきました。


今後の方針について

 タスマニアデビルは野生で5~6年、飼育下で7~8年の寿命です。飼育下では4歳をすぎると、椎間板変性や脊椎症、変性性脊髄症など運動器や神経の加齢性疾患が多く見られるようになります。

 テイマーのエックス線検査では脊椎や関節の明らかな形態的異常は見られないため、脊髄の疾患であると考えていますが、診断には脊髄造影検査やCT、MRI検査が必要であり、それには長時間の全身麻酔が必要であるため、これ以上の検査はおこなわない予定です。

 現在は、脊髄の圧迫による痺れがある可能性を考え、痛みを緩和するための鎮痛剤とビタミン剤を投与しています。変性性脊髄症である場合は、治療法がなく、今後さらに後肢の力が弱り、歩行ができなくなると予想しています。今後もテイマーの状態にあわせて飼育環境の改善や必要な治療をおこなっていくとともに、テイマーが可能な限り静穏な生活を続けられるよう、スタッフ一同で継続してケアをおこなっていきます。

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(2023年06月21日)
(2023年10月09日:展示中止についてのお知らせ)



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