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フェネックの子ども公開!
 └─井の頭 2007/05/28

 井の頭自然文化園のフェネック「オギン」が、2007年4月12日に赤ちゃんを産みました。オギンにとって3回目の出産です。オギンは2004年6月生まれ。人工哺育で育った個体です。そのオギンがうまく子育てできるのかどうか。昨年(2006年)2回の出産がうまくいかなかったので、今回は早めに「産室」に隔離して、ようすを見ることにしました。

 産室とは、フェネック舎内にある二つの寝室をつなげて、一方の部屋に巣箱を置いたものです。二つの部屋を行き来できるのはフェネックだけ。巣箱のない方の部屋にえさを置き、出産後落ちつくまでは、巣箱をのぞいたり、掃除したりしないようにしています。2001年と2003年は、この方法で自然繁殖に成功しました。オギンもこの方法のおかげで、3回目にして、やっとうまく出産してくれました。

 生まれたばかりのフェネックの赤ちゃんは、体重が30~40グラムぐらいしかなく、体毛はうすく、目も耳も開いていません。一日に何度かおっぱいを飲むほかは、寝ているばかりです。それが約1か月で体重 150グラムほどにまで成長しました。すでに離乳が始まり、少し前までは母親が巣箱に持ち帰った餌を食べていましたが、今では自力で歩いて餌を食べに出てくるようになりました。

 活発な子どもたち3頭と、世話をするオギンの動画を、下記リンクからごらんください(約45秒)。オギンと赤ちゃんの大きさをくらべてください!

 ・WMV形式
 ・QuickTime形式

 餌として、鶏肉、イヌ用離乳食、ふかし芋、リンゴ、ブドウ、ニンジンなどを与えていますが、赤ちゃんたちに人気なのは鶏肉です。自分で巣箱に持ち帰り、中で食べては、また取りに出てきます。オギンがふかし芋をくわえて子どもたちに与えようとしても、子どもたちは自分でせっせと肉を運んで食べています(オギンはふかし芋が大好物なのですが……)。

 現在、オギンと子どもたちは、表側のガラス室にいます。夜行性のフェネックは、もともと昼寝の時間が長く、警戒心もあるのでなかなか巣箱の外に出てきません。これから天候のよいときには徐々に放飼場に出して、外にならしていく予定です。

〔井の頭自然文化園飼育展示係 永田典子〕

(2007年5月28日)



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