ニュース
カツオの縞はタテ?ヨコ?──葛西 2006/10/13

 みなさんは生きているカツオを見たことありますか? 葛西臨海水族園の水槽で泳ぐカツオを実際に見てみると、鮮魚店で氷の上にならんでいるカツオや図鑑にのっている一般的なカツオの絵とちがうところがあることに、一目で気づくことでしょう。

 おなかのあたりに注目してみてください。死んだカツオの腹には、特徴的な黒っぽい縞模様が何本か入っています(写真上)。

 魚は頭から尾に向かって伸びる縞をタテジマと呼び、これを横切る方向の模様をヨコジマといいます。なので、このおなかの模様はタテジマです。じつは、生きているとき、このタテジマはほとんど見えません。ふだん、カツオは縞模様のない魚なのです。

 ところが、生きたカツオにも縞模様があらわれることがあります。しかも、死んだときとはあべこべに、背中にヨコジマが出るのです。このヨコジマは、餌を食べているとき(写真下)や、繁殖のためにオスがメスを追いかけているときなど、まさに生命のエネルギーを爆発させているようなときに出るようで、この点でも、死んだときのタテジマとは対極にあるのかもしれませんね。

・カツオの給餌シーンを動画でごらんください(約50秒)
 Windows Media Player版
 QuickTime版

 ところで、2006年10月1日、水族園の大水槽に新しいカツオたちがなかま入りしました。まだ体が小さく、水槽の中をせわしなく泳ぎ回っていますが、水槽はずいぶんにぎやかになりましたよ。生きているときのカツオの縞模様をたしかめに、ぜひ葛西臨海水族園にご来園ください。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕

(2006年10月13日)



ページトップへ