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オランウータン「ジュリー」戻る──多摩 5/13
 2005年5月9日(日)、静岡市立日本平動物園から、オランウータンのジュリーが帰ってきました。ジュリーは1965年5月6日に多摩動物公園で生まれたメスです。静岡に引っ越したのは、約4年前の2001年4月23日のことでした。

 ジュリーは、ジプシーが推定9歳のときに産んだ子どもです。ジプシーは、今でもいろんなことに興味をもつ元気なおばあちゃん。ジュリーの父親は、今は亡きドン・ホセ(1960年6月1日来園、1974年8月5日死亡)です。
 日本平動物園では、オスのジュンとメスのキャンデーとともに3頭でくらしていました。このキャンデーも多摩生まれの個体です。キャンデーはジプシーとジロー(1995年10月9日死亡)のあいだに生まれました。

 ジュリーが到着したのはお昼ごろです。動物園に到着した動物は、健康状態等のチェックのために検疫が必要です。今回は飼育舎で検疫をおこなうことになりました。新オランウータン舎に運ばれたジュリーは、動物用の通路を通って寝室に移動。搬入時に問題はなく、部屋に入ったジュリーものんびり休んでいるようすでした。

 多摩動物公園では、2005年3月23日、旧チンパンジー舎と旧ゴリラ舎から新施設へ5頭のオランウータンを移しました。しかし、外からやってきたのはジュリーが第1号です。ジュリーは浦島さんのように、ひさしぶりの多摩動物公園に戻ってきたわけですが、施設も担当者もすべてが変わってしまったので、彼女にとっては初めての動物園に来たのと同じかもしれません。
 ジュリーは初日から餌をたいらげ、とても元気です。担当者が名前を呼ぶと寄ってくるなど、人なつっこい感じがしました。多摩動物公園では、この4月からオランウータンの担当チームに女性3人が加わり、4人体制でスタートしました。私たちにも早く慣れてもらいたいと思っています。

 まもなく、搬入後1週間がたちます。現在、2部屋を交互に使って検疫しています。まだ他のオランウータンたちに会うことはできませんが、検疫があけたら、母親のジプシーや、ボルネオ(オス)など、かつていっしょにいたなかまに再会できるので精神的に落ちつくかもしれません。
 新オランウータン舎は、以前のオランウータン舎の敷地を拡張してつくりました。ジュリーが今後放飼場に出て、高いところにのぼるようになれば、かつてここで過ごしたときの景色を思い出すかもしれません。
〔多摩動物公園飼育課 黒鳥英俊〕

(2005年5月13日)



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