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珍しい深海生物第3弾「アカグツ」
 └─葛西  2014/03/21

 2014年3月20日から葛西臨海水族園東京の海エリアの「トピック」水槽に、珍しい深海生物第3弾として、ベニテグリに替わりアカグツを展示しました。

「珍しい深海生物第2弾『ベニテグリ』」(2014年02月21日)

 アカグツは本州以南の日本各地、東シナ海、南シナ海、インド洋の水深約50〜400メートルに生息するアンコウのなかまです。小さいですが頭部の先端にエスカと呼ばれる疑似餌をもっています。

 アカグツの体の形はとても特徴的で、円盤のような丸い頭をしていて背中は赤くて堅く棘が生えています。水槽の横には引き続き深海めがねを置いていますので、赤いアカグツが深海ではどのように見えるのか確かめてみてください。

 アカグツという名前は赤い靴のことではなく、ヒキガエルの古い呼び方である「クツ」からきているという説があります。「赤い色をしたヒキガエルに似た魚」という意味と思われますが、大きな胸びれと小さな腹びれで体を支える姿は確かにヒキガエルのようにも見えます。ふだんはじっとしていますが、ごく稀にこの胸びれと腹びれを使って、海底をゆっくりと歩きます。

 なかなか見ることのできないアカグツのヒキガエルのようなユニークな姿をぜひ見に来てください。

 なお、深海生物には飼育が困難な種が多く、展示を変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。

写真上:ユニークな形のアカグツ
写真中:頭の先にある白くて小さいエスカ(疑似餌)
写真下:名前のもとになったヒキガエル(写真はアズマヒキガエル)

〔葛西臨海水族園飼育展示係 小味亮介〕

(2014年03月21日)



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