ニュース
暑さに負けるな! チンパンジー
 └─多摩  2012/08/24

 残暑厳しい日が続いていますが、みなさん夏バテなどしていませんか? うだるような夏の暑さに、多摩動物公園のチンパンジーたちも全身から大粒の汗をかいて、「もう、うんざり……」といったようすです。

 そんなチンパンジーたちに、少しでも元気に夏を過ごしてもらおうと、これまでさまざまな取り組みをおこなってきました。

 その一つが、氷のプレゼントです。カシャカシャっと氷を準備する音がすると、それまでだるそうに寝転がっていたチンパンジーたちは、待ってましたとばかりに集まってきます。氷を与えるとガリガリと美味しそうな音をたてて食べ、見ているこちらまで羨ましくなってしまいます。

 氷はただ水を凍らせたもの以外に、ジュースを凍らせたもの、果物などを入れたものなど、いろいろな種類を作っています。「当たり」の氷を手に入れたチンパンジーは、嬉しそうに声を出しながら、味わって食べています。

 また、シャワーのプレゼントもしています。シャワーといってもチンパンジー舎の屋上から運動場にホースの水を垂らしたものです。

 チンパンジーは、雨が降ると屋根の下に集まって雨宿りを始めるほど、みな水に濡れるのが苦手なので、初めは怖がって、ホースからたれてくる水を遠巻きに見ているだけでした。

 しかし、あまりに暑く、また、好奇心が勝ったのでしょう。水をあまり怖がらないデッキーが遊び出したのを機に、好奇心旺盛な子どもを中心にほかのチンパンジーたちも近づいてきました。初めは逃げ腰で、指先で水に軽く触れるのが精一杯でしたが、口を大きく広げて水を飲んだり、頭から水をかぶったりと、どんどん大胆になっていきました。

 とくにマックスとジンは、入れ替わり立ち替わり水を触りにきてはサッと逃げる、ということを繰り返し、どうやら度胸試しをしているようです。そんな2頭の微笑ましい姿を見ているときは、私たちも暑さを忘れて見入ってしまいます。

 氷とシャワーのプレゼントは14時半ごろ実施することが多いのですが、動物の体調や天候によって実施しないこともありますので、ご了承ください。

写真上:氷を食べる「ミカン」
写真中:垂れてくる水を飲む「マックス」
写真下:いろいろな種類の氷

〔多摩動物公園北園飼育展示係 東川上純〕

(2012年08月24日)



ページトップへ