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井の頭自然文化園水生物館のまわりの水路や井の頭池には、3種類のアメンボのなかまがいます。よく見られるアメンボと日本最大のオオアメンボ、そしてシマアメンボです。
水生物館では現在、メダカの水槽でシマアメンボを展示しています。普通のアメンボは細長い体型をしていますが、シマアメンボの体は、丸みを帯びており、アメンボより小型です。くらしている場所もほかの2種とは異なり、渓流や湧水などの流れのある場所を好むようです。
アメンボのなかまは、水面に落下した小さな昆虫などを食べますが、シマアメンボは餌のとらえ方がほかの2種とちょっと違っています。
アメンボは、昆虫が水面に落下したときやもがくときに起きる水面の揺れに反応して餌を見つけます。波紋として広がるこの水面の揺れをとらえるために、アメンボやオオアメンボはあまり泳がずじっと動かないことが多いのに対して、シマアメンボは流れのある場所にいるので、水面の揺れは餌を見つける手掛かりにはあまりなりません。そこで彼らは泳ぎまわって、近くに流れてきた餌を見つけます。
水槽で見ていると、シマアメンボは常に一定の間隔で円を描くように泳いでいます。まるで機械じかけのおもちゃのようです。縄張りがあるのかどうかはわかりませんが、同じ個体がだいたい同じ場所で泳いでいるようです。
アメンボをふだんじっくりと見たことはない方が多いかもしれませんが、水槽では近くで観察することができます。ちなみに、井の頭池や水生物館の外にある水路には一年中アメンボがいます。屋外の水路にくらすアメンボと屋内の水槽にいるシマアメンボの泳ぎ方を比較してみるとおもしろいかもしれません。
〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 中村浩司〕
(2010年11月05日)
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