ニュース
フラミンゴの名札つけ
 └─上野  2009/10/09

 上野動物園のフラミンゴ舎には、現在、ベニイロフラミンゴが30羽います。飼育係はその30羽のフラミンゴを見わけ、ケガをしていたり調子が悪そうだったりする個体がいないか、日々観察をしています。では、1羽1羽のフラミンゴをどのように見わけているのでしょうか?

 みなさんは、フラミンゴたちの脚に、数字の書いてある青や赤のリングがはめてあることにお気づきでしょうか? じつは、30羽のフラミンゴすべてにそれぞれ違うリングがついていて、その色とりどりのリングが「名札」の役割を果たすのです。

 いくら飼育係といえども、フラミンゴたちを見た目だけで見わけるのは簡単ではありません。私たちはフラミンゴの脚についているリングの色と数字を見て、個体を見わけているのです。

 ところがこのリング、劣化したり、フラミンゴがくちばしでいじったりするうちに、割れて脚からはずれてしまいます。上野動物園のフラミンゴたちもこのところ、リングがはずれてしまった「無印」の数が増えてきました。

 そこで2009年10月5日の休園日、「無印」たちを捕まえて新しいリングをつけることにしました。フラミンゴ舎の中に4~5人が入り、目あてのフラミンゴを囲んで捕獲します。若手の飼育係にとっては、フラミンゴを捕獲・保定する練習の場でもあります(「保定」とは、何らかの方法で動物の体の動きを制限することです)。ベテラン飼育係の指導を受けつつ、「無印」たちに無事、新しいリングをつけることができました。

 フラミンゴの名札は、このリングだけではありません。色つきリングがない方の脚には「銀色の細いリング」がついていて、数字が記されています。こちらは金属でできているので、色つきリングとはちがって、はずれてしまうことはありません。また、体の中に小さなチップを埋め込み、特別な機器でその数字を読み取る場合もあります。このように、動物園の動物にはいろいろな「名札」がついているのです。

 同じように見えるフラミンゴですが、じっくり見ていると、気の強い個体、要領のいい個体、いつも端っこにいる個体など、いろいろな性格の個体がいます。お気に入りの個体がいたら、ぜひ「名札」をチェックしてみてください。そして、また動物園にいらっしゃったときには、「名札」を手がかりにその個体を探してみてください。「元気だった?」と声をかけられるほど、顔なじみになっていただけるとうれしいです。

◎東京ズーネットBBの動画

フラミンゴの引っ越し」(2007年05月撮影)
大きくなったベニイロフラミンゴのひな」(2007年05月撮影)

〔上野動物園西園飼育展示係 高津磨子〕

(2009年10月09日)



ページトップへ