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チーター「ユリ」の里帰り
 └─多摩  2008/07/04

  多摩動物公園は、富士自然動物公園(富士サファリパーク)とのあいだでブリーディングローン(繁殖のための動物貸与契約)を相互に取り結び、チーターの繁殖に取り組んでいます。

 2007年9月11日、富士サファリパークからメス「クリン」が来園し、当園からメス「ユリ」が富士サファリパークに“出張”しました。

 そして2008年6月23日、クリンを富士サファリパークに運び、ユリを多摩に運び戻したのです。動物の輸送については、昨年9月は富士サファリパークが担当し、今回は多摩動物公園が担当しました。2頭とも体調をくずすこともなく、移動中の車内でも落ち着いたようすでした。2頭が元の施設に戻り、これで計画の第一弾が終了しました。

 今回、残念ながら2頭は繁殖にいたりませんでしたが、富士サファリパークでは気の強いクリンがいなくなった結果、別のメスが繁殖。また、当園ではオスに見向きもされなかったユリが、富士サファリパークに移動後、妊娠こそしませんでしたが、交尾行動が観察されました。

 チーターの繁殖にはまだまだ謎が多いのですが、成功の鍵は雌雄の「隔離」と「出会い」による刺激にあるといわれています。今後、多摩動物公園のオスたちが、長期間不在だったユリに対して、見知らぬメスに接するように興味をもってくれればと期待しています。

 また、ユリは交尾を経験して帰ってきたので、今後、ユリがオスに対してどう接するかよく観察し、繁殖につなげるつもりです。ユリは現在、繁殖のために裏の放飼場にいます。みなさんの前にお目見えするのは、しばらく先になる予定です。

 チーターの寿命は長生きしても15年足らず。しかも、オスもメスも異性に対してはっきりした好みのようなものがあります。短い生涯の中で少しでも多くの出会いの場を作ってやることで、繁殖に成功するペアを増やそうと考えています。そのためにも、今回のような試みを続け、他の施設との連携を充実させていくことが大切になります。


※写真はいずれもユリ

〔多摩動物公園北園飼育展示係 谷口敦〕

【東京ズーネット、これまでのニュース】

希少種チーター4頭来園!(2007年11月02日)

16年ぶりにチーター誕生! 名前募集(2008年03月28日)

・(動画)16年ぶりにチーター誕生!(2008年03月撮影)

(2008年07月04日)



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