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安産の象徴? 子どもを産む魚
 └─葛西  2008/06/20

 子どもを産む魚がいるのを知っていますか? 多くの魚は「卵」を産み、その卵から子どもが孵化しますが、中には、親とそっくりな形をした子どもを産むものもいるのです。そのひとつがウミタナゴ。今回、そのウミタナゴが産んだ子どもたちを、葛西臨海水族園の「渚の生物」水槽に展示しました。

 魚たちは、できるだけ多くの子孫を残すために、いろいろな「生き残り戦略」をもっています。数万・数億もの数の卵を産んだり、孵化した稚魚を口の中に入れて守ったり、卵が孵化するまで片時も離れずに守ったり、いろいろな方法があります。

 ウミタナゴもとても変わった「生き残り戦略」をもっています。お腹の中の卵を産み出さず、親魚はお腹の中で卵を孵化させ、稚魚のすがたまで成長させてから産むのです(これを「胎生」といいます)。

 このような変わった習性をもつウミタナゴは、地方によって次のような言い伝えがあるそうです。ウミタナゴは大きな子どもをたくさん産むため、「安産の象徴」とされ、妊婦が食べると、子宝に恵まれ、無事に子どもが産まれるというのです。

 今回、展示水槽に出したウミタナゴの子どもたちはとても元気でじょうぶです! とはいっても、まだまだ体はミニサイズ。子どもたちは大きな魚が来られない浅い場所で、しっかりと群れています。「渚の生物」の水槽で、無事元気に産まれてきた子どもたちを探してみてください。見つけるのは、なかなかむずかしいですよ?

〔葛西臨海水族園飼育展示係 鈴木聡子〕

(2008年06月20日)



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