ニュース
ヒキガエル、今年も来たよ!
 └─井の頭 2008/03/21

 3月も下旬に入り、めっきり春らしい陽気になってきました。そろそろ、彼らも動き出すころと思い、井の頭自然文化園本園の「熱帯鳥温室」前の池をのぞいてみると、やはりいました! 水の濁りと底に積もった落ち葉で見えにくいのですが、毎年どこからか繁殖のために集まってくるヒキガエルです。

 ヒキガエルはこの時期、水辺の繁殖場所に集まってきて、オスたちはメスを奪い合う「カエル合戦」と呼ばれる壮絶な戦いをくりひろげます。そしてメスは、細長いひも状のゼリーに包まれた卵を産みます(写真)。

 卵は1週間程ほどで孵化し、小さなオタマジャクシが泳ぎだします。そして6月ごろ変態し、体長10ミリほどの小さなカエルになって上陸します。道で遭遇するとギョッとするヒキガエルですが、変態したてのころは小さくて大変かわいらしいのです。

 ヒキガエルの繁殖期間は非常に短いので、残念ながら「カエル合戦」のようすを見ることはむずかしいのですが、ひも状の卵塊や、孵化して出てきたオタマジャクシの大群、そして変態や上陸の過程はごになれると思います。

 ところで、みなさん、今年(2008年)は、世界中でカエルの現状を訴え、カエルを救おうという「国際カエル年」です。井の頭自然文化園ではさまざまなカエル関連のイベントを開催し、カエルとはどんな生き物なのか? 今、カエルになにが起こっているのか? 人はカエルとどうかかわってきたのか? をお伝えします。カエル好きの方はもちろん、そうでない方にも「カエルってすごいなあ! いなくならないでほしいなあ!」と感じていただけたらと思います。イベント内容については、随時お知らせしますのでお楽しみに!

 これからお花見シーズンにも入り、外で過ごすには気持ちよい季節。まずは、今年のカエルはじめに、もっとも身近なカエル、ヒキガエルの観察から始めてはいかがでしょうか。

〔井の頭自然文化園教育普及係 福士志乃〕

(2008年03月21日)



ページトップへ