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ビオトープとヤマアカガエルの産卵
 └─多摩  2008/02/29

 地上高15メートルにあるロープをオランウータンが渡る「スカイウォーク」。スカイウォークエリア内の小さい野原には湧き水があり、ひとまとまりの自然環境ともいえるビオトープの維持を、東京環境工科専門学校の学生たちが実習をかねておこなっています。

 2008年1月末、園内にすむヤマアカガエルの最初の産卵が、このビオトープの池で確認されました。その後、雪が降ったり寒さの厳しい日が続いたりしたせいか、産卵を確認することはできませんでしたが、2月22日、ヤマアカガエルの卵塊をふたたび発見。また、作業のために学生たちが池に入ったところ、親ガエルも確認できました。

 2008年1月末の卵は順調に育っているようで、この記事の締切日に現場を見たところ、無事孵化していました。

 2月19日には、昆虫園本館前の池でも卵塊を確認しました。ほかにも園内には、カエルが産卵する場所が何か所かありますが、放飼場内の池のように、来園者には観察できないところが大半です。きちんと調べた数字はないのですが、ベテランの職員に聞くと、多摩動物公園内でもカエルの産卵数は確実に減っているそうです。

 人間による開発が原因で、カエルやサンショウウオなどの生活場所が失われたり、カエルがかかる病気が各地に広がったため、数が減ったりしていることは、世界的に知られるようになりました。

 今年2008年は、「国際カエル年」として都立動物園でも各種のイベントを予定しています。みなさんの身近な場所で育つオタマジャクシのことも、忘れずに見守ってください。

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 浅井ミノル〕

(2008年02月29日)



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