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雪とライオン
 └─多摩  2008/02/22

 「雪やこんこ、あられやこんこ……」で始まる童謡『雪』には、「犬は喜び庭駆け回り、猫はコタツで丸くなる」と歌われていますが、さてライオンはどうすると思いますか?

 今年(2008年)2回目の積雪で、2年ぶりの大雪となった2月3日、多摩動物公園でも10センチ近い積雪がありました。翌朝、除雪作業を終えてからライオンを放飼場に出しましたが、天候が回復して晴天になったとはいえ、一面の雪景色にみな、出入口付近でモタモタしていました。

 冷たそうに雪の無いところを選んでゆっくりと歩いたり、冷たくなった足を上げて振ったりする個体もいました。そうなんです。ライオンは大きく分けるとネコのなかま。基本的に濡れることを嫌い、寒いのを苦手とします。

 ところが、そんな大人たちを横目に、元気に走り回る個体がいます。昨年2月生まれのきょうだい、オス2頭(ダイとフク)、メス2頭(ナナとミキ)です。2月生まれだから冬が得意、というわけではありません。若い個体、とくに子どもの方が活発で、好奇心も旺盛です。ですから、寒さなんか気にすることなく、雪玉を転がしたり、かみついてみたり、子どもどうしでじゃれあって雪煙を巻きあげていました。

2007年2月に生まれた4頭のニュース(2007年11月)

 多摩動物公園のライオン園では、車が走れる程度の降雪なら、放飼場での展示をおこないます。しかし、ライオンバスの運行に支障をきたすほどの雪が降っているときは、早めにライオンたちを室内に入れることもあります。

 また、積雪のあった翌日には、安全のために除雪作業をしてからライオンを出しますので、放飼やバスの運行開始が遅れる場合もあります。あらかじめご了承ください。

 東京の今冬は、降雪回数が平年を超えました。右の写真は、雪をバックにしたライオンたち。ちょっと変な組み合わせですが、この時期ならではの風景です。さあ、みなさんも寒さに負けず、コタツを抜け出して動物たちに会いに来てください。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 谷口敦〕

(2008年02月22日)



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