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リュウキュウスガモはキレテナ~イ、カミソリウオの展示
 └─葛西  2008/02/01

 最近、職員間で「充実してるね~」と評判(自画自賛ですいません)の「世界の海」エリア「インド洋」の水槽。中には、幅1センチほどで縦長のリュウキュウスガモをはじめとして、数種類の海草が育っています。

 ところが水槽の中をよく見わたしてみると、茶色い葉っぱの切れ端が浮きつ沈みつ流れているように見えることが……。なんだ、スガモが枯れて、ちゃんと育ってないのかな?──そんな風に思った方は、今一度よ~く観察してみてください。ちぎれたスガモの切れ端と思っていたら、なんと、おめめも口もあるじゃありませんか!

 じつはこれ、カミソリウオというりっぱな魚なのです。身を守るために海草に擬態しているのです。目の前にいても、よ~く観察しないと、それとわからないほどの擬態名人です。

 カミソリウオは、インド洋と西太平洋に分布し、長い吻と大きな腹びれ、尾びれが特徴です。いわれてみれば、たしかにその形状は、床屋さんが使うようなカミソリににています。

 カミソリウオはトゲウオ目の魚です。同じ水槽で展示しているヨウジウオのなかまや有名なタツノオトシゴのなかまなど、このグループにはちょっと変わったすがたの魚がたくさんいます。

 今、カミソリウオはペアで展示しています。体が大きくお腹に袋(育児嚢)をもっているのがメスで、より平べったくて小さいのがオスです。個体識別しやすいので、シック(メス)とジレット(オス)と名づけてみました。いつもなかむつまじく寄り添って泳いで(漂って?)いますので、じっくり探してみてください。

写真:カミソリウオのペア。左がメス、右がオス

〔葛西臨海水族園飼育展示係 飛田英一朗〕

(2008年02月01日)



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