ニュース
アフリカゾウに丸太の遊具
 └─多摩  2008/01/11

 多摩動物公園のアフリカゾウ舎には、遊具が設置してあります。これは、動物園というかぎられたスペースの中で、飼育動物たちが運動不足にならないように、また、ひまにならないように設置されたものです。

 たとえば、「六角給餌器」もその一つ。文字通り六角形のかたちをしたサイコロのような遊具で、転がすと遊具にあけた穴から餌が出てきます。

 しかし、いつも同じ遊具だけではゾウたちも飽きてしまいます。そこで、昨年(2007年)12月から、新しい遊具として「丸太」を設置しました。

 ひとことに遊具といっても、ゾウの遊具となると簡単ではありません。体の高さが3メートル、重さが4トンにもなるゾウですから、簡単にこわされないものを考えなければいけません。六角給餌器も、本体が60キロ、係留している鎖の重さだけでも10キロあります。飼育係がこれを動かすときには、「手鉤」という道具を使い、「よいしょ」と力をいれて持ちあげるのですが、ゾウたちはいとも簡単に、足や鼻でゴロゴロと転がしてしまいます。今回設置した丸太も、名前は地味ですが、重さは300キロ以上あるものを使用しています。

 アフリカゾウ舎には二つの運動場があります。片方の運動場にはすでに丸太がありましたが、今回新しいものと交換しました。そして、もう一方の運動場は六角給餌器が設置されていた場所に丸太を設置し、六角給餌器は場所を変えました。丸太は、一つをぶらさげるかたちで設置、もう一つは地面に転がして置きました。

 丸太を設置した翌日、ゾウたちは新しい遊具でさっそく遊んでいました。とくに、今まで丸太がなかった運動場では、ゾウたちはいろいろ試すような行動が見られました。見なれないものに対し、初めは匂いをかいだり、少し触れるだけだったりと警戒ぎみでしたが、すぐに転がしたり、しゃがんで上から押さえつけたり、警戒心が興味に変わったようです。なれてくると、表面の皮をはいで食べているすがたも確認できました。

 最近、ゾウたちは早くも丸太に飽きてきているようなので、近いうちに改良をくわえるつもりです。ゾウたちの遊ぶすがたが見たい!!という方は、ぜひ多摩動物公園までおこしください。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 野本寛二〕

(2008年01月11日)



ページトップへ