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新たな視点で見てみると(16)
 スローモーションで見るモンハナシャコの「ふきふき」
 └─葛西  2007/10/26

 連載「新たな視点で見てみると」では、特殊な撮影方法を駆使し、ふだん肉眼では見ることができないような映像をおつたえしています。

 さて、今週はひさびさに水槽の中の生き物が主役です。鹿児島県で葛西臨海水族園の職員が採集してきた「モンハナシャコ」です。とてもきれいな生き物なのですが、残念ながら、現在展示できる水槽がないため、裏の予備水槽で飼育しています。

 今回は、このシャコ君の「ある行動」をスローモーションで撮影しよう思ったのですが、撮影時には、狙った「ある行動」を起こしてくれませんでした。しかし、撮影用に用意した水槽の海水が気に入らなかったのか、眼や触角、体表などをさかんに擦る行動が見られました。なかなか面白い行動なので、今回はそのようすをスローモーションでお伝えすることにします。

【モンハナシャコの動画】(画像が乱れるときは、データをすべて読み込んでから再生してみてください。)

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 撮影用に用意した水槽の海水には、非常に細かなサンゴ砂の粒子がただよっていて、これが体に降り積もってくるのがイヤだったようです。先端がブラシ状になっている脚を器用に使い、さらにスナップをきかせながら「ふきふき」していました。

 通常のスピードで見ると、たしかに「ふきふき」しているように見えますが、時間を4倍に引きのばして見てみると、自分には「カユいカユい」しているように見えて、ちょっと笑えました。

(今回、お伝えできなかった「ある行動」については、撮影に再チャレンジしてみます。)


〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕

(2007年10月26日)



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