外来のウマとほとんど交雑せず、昔から日本にいた在来馬。明治以前、ウマといえば在来馬のことでした。現在8種類知られている日本の在来馬のうち、「トカラ馬」が上野動物園にやってきます!
来園日
2007年10月2日(火)(10月1日は都民の日で開園、翌2日は休園日です。動物の搬入作業の都合上、取材はご遠慮ください)
公開日
検疫後に公開します。公開日は追ってお知らせします
来園個体
トカラ馬、オス1頭(2007年3月3日生まれ)
展示場所
子ども動物園曲屋
八つの品種とは、北海道和種馬、木曽馬、野間馬、対州馬、御崎馬、トカラ馬、宮古馬、与那国馬。在来馬は体高(地面から肩までの高さ)が120~130センチと小さく、足が短いことです。サラブレッドは体高150センチ以上。
トカラ馬は1952年、鹿児島県トカラ列島南端の宝島で発見されました。在来馬にも小型と中型がありますが、トカラ馬は小型の在来馬です。日本の古い絵や物語に登場する馬は、トカラ馬のような小型の在来馬だったと思われます。
発見された当時、トカラ馬は農耕用の堆肥、薪の運搬、サトウキビの搾出などに使われていましたが、戦争とともに減少。戦後は自動車の普及や農業の機械化にともなって価値がうすれ、1952年には43頭にまで減りました。
1953年、鹿児島県はトカラ馬を県文化財として天然記念物に指定。保護に乗り出したものの、1960年には32頭にまで減少。そこで、保護・繁殖をめざして、本土の各地に移されたのです。現在96頭が、トカラ列島の中之島、開聞山麓自 然公園、鹿児島大学農学部付属入来牧場で飼育されています。上野動物園には、この入来牧場からオス1頭がやってくることになりました。現在トカラ馬を飼育している動物園は、福岡市動物園(メス1頭)と鹿児島市平川動物公園(メス3頭)です。
かつて日本人が親しく接していた在来馬の展示をつうじて、人と馬が作ってきた歴史や文化をご紹介します。また、希少な在来馬の収集と展示に力を入れ、保護に努める予定です。
写真:来園するトカラ馬
(2007年09月28日)
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