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ヤクシカの秋の顔
 └─多摩  2007/09/21

 秋を迎えると、多摩動物公園のヤクシカのオスは一年でいちばん活動的となり、夏までのかわいらしい顔はりりしい表情を見せるようになります。そして、「袋角」(ふくろづの)が破け、りっぱな角があらわれ、発情期を迎えます。

 バンビ模様だった夏毛は、夏も終わりになると換毛期に入り、最近では、まだら模様は消えて灰褐色になるとともに、体を大きく見せるために首のまわりにタテガミのような毛が生えます。また、「泥浴び」という独特の行動も見せるようになります。とくに、首まわりに泥をつける行動が見られます。

 迫力があるのは、オスどうしの順位を決めるための角の突き合いです。3分間も続くことがあります。メスを呼ぶための「フィーヨー」といった悲しげな声も聞くことができます。

 今こそ、ヤクシカを観察するのにはオススメの季節。なお、2007年6月25日に生まれたオスは3倍くらい大きさになり、今ではおとなの個体とと同じ餌を食べています。

写真上から:
・角の突き合い
・繁殖期のオス
・泥浴び
・餌を食べるヤクシカの子ども

〔多摩動物公園南園飼育展示係 松本泰雄〕

(2007年9月21日)



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