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幻想的な光を放つ海の生物、ウミホタル
 └─葛西  2007/08/31

 葛西臨海水族園「東京の海」エリアにある「実験展示」コーナーでは、ウミホタルという小さな生物を展示しています。このウミホタル、とても涼しげで幻想的な光を見せてくれる生物です。

 ウミホタルは「ホタル」とつきますが、昆虫のホタルではありません。エビやカニと同じ甲殻類のなかまで、体は透明な殻に包まれたような変わったかたちをしています。大きさは成長しても2~3ミリにしかなりません。

 ウミホタルは卵からかえり、脱皮を繰り返して大きくなります。1回目の脱皮は、親の殻の中で守られながらおこないます。その後、親から離れ、4回脱皮を繰り返し成長していきます。

 昼間は海底の砂の中に潜っていますが、夜になると、砂の中から出てきて、餌を探します。小さい体からは想像しにくいですが、死んでいる魚やイカ、貝など、動物質のものは何でも食べます。

 餌を探しに砂の中から出てくると、ウミホタルを食べてしまう敵がたくさんいます。ウミホタルは、魚に襲われそうになったり、びっくりしたときに、体の中にある発光物質を口のそばにある器官から吐き出します。この発光物質は海水と混ざるととても美しく青く光ります。びっくりしたときの光は強く、これによって敵を威嚇します。そしてウミホタルには、光とは反対の方向へ移動する習性があるので、なかまへの危険信号にもなっているようです。

 また、ウミホタルはこの光をプロポーズにも利用することが知られていて、オスは求愛の際,光を放ちながら海面近くからクルクルとらせんを描くように下降する動きをするそうです。

 「実験展示」コーナーでは1日2回(11:15~、15:45~)、「ウミホタルの発光実験」をおこない、ウミホタルが光るようすをごらんいただいています。葛西臨海水族園におこしの際は、どうぞお見逃しなく!!

〔葛西臨海水族園飼育展示係 鈴木聡子〕

(2007年8月31日)



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