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ケイコ親子がライオン園にデビュー!
 └─多摩  2007/06/15

 2007年2月13日に生まれたライオンの「ケイコ」(2004年4月26日、多摩動物公園生まれ)の子どもたち、「ダイ」「フク」「ナナ」「ミキ」は、生後3か月を過ぎて体重も11~13キログラムになり、5月16日の休園日には、初めてライオン園に出しました。

 他の個体は出さなかったので、親子は一日のんびりと、ライオン園の中をくまなく探検していました。親子どうしのコミュニケーションもしっかりできましたし、1頭も迷子になることなく、無事全頭収容できました。

 翌週の5月23日(同じく休園日)には、いよいよライオン園デビューに向けて、群れのメンバーと同居させてみました。朝一番にケイコ親子だけを先に出し、ジープで厳重に監視しながら、問題の少なそうな個体を加えていきます。

 発情しているメスがいるとオスが興奮し、余計なトラブルのもとになるので、そうしたメスはこの日ははずしました。ケイコはオス以外はすべて敵!とでもいうように、ピリピリと緊張した行動と表情を見せていました。また、ケイコは今の群れではいちばん年下なのですが、すでに3歳の大人であり、子どもにちょっかいを出さなくなっています。これらの条件がさいわいして、この日はなにごともなく、ケイコ親子を含めて計21頭の同居ができました。

 翌日5月24日は、さらに1頭追加して、22頭の展示を開始しました。しかし、5月26日、思いがけない事故が起きてしまったのです。この日、ケイコと仲の悪いメイは発情ぎみでした。メイはレボというオスのそばにいたのですが、このレボは、じつはケイコが慕うオスでした。

 ここに子どもを連れたケイコがあらわれ、メイを威嚇しながら接近してきます。それをレボがいさめようとしたときのことです。メイがその場を飛び出したところ、そのはずみに、メイの爪がケイコの子「ミキ」の左の股関節部分の太ももに突き刺さってしまったのです。2センチほどの裂傷でしたが、強い痛みのためか、ミキは左後肢をほとんど動かせませんでした。収容後、ミキは筋肉、筋膜、皮膚を4針縫う緊急手術を受けました。

 ミキが回復するまで、ケイコ親子の群れ入れを一時中断していましたが、ミキの回復が思わしくなく、再度の精密検査したところ、大腿骨骨頭部の骨折が見つかりました。このため、ミキは治療に専念させ、ミキを除く3頭の子どもたちの群れ入れを先行させることに決めました。6月8日から、ミキ以外の子どもたちがライオン園に再デビューしています。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 谷口敦〕

(2007年6月15日)



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