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マグロがやって来た!
 └─葛西  2007/06/15

 2007年6月3日、葛西臨海水族園にクロマグロ約60匹が加わりました。このマグロたちは、遠路はるばる南国奄美大島からやって来たのです。採れた場所は本土の鹿児島県笠沙沖で、そのとき体重は1キログラムたらずですが、その後、奄美大島に運ばれ、体重は6~8キログラムにも達しました。現在、ちょうど1歳になります。

 さて、このマグロはどのように水族園にやって来たのでしょう? まず、奄美大島から三浦半島の三崎港まで、大型の活魚船で海路を移動します。その後は、水槽を積んだ大型トラックに移し変えられ、東京まで運ばれるのです。4日間、なんと約 1,200キロメートルの長旅です。旅のあいだもマグロはひたすら泳ぎ続けます。彼らは泳がないと呼吸ができないのです。

 じつはこの長旅のあいだ、ほんの数分間だけ自由に泳ぐことができない試練の時があります。それは、船からトラック、トラックから水族園の水槽への移動です。

 この移動のときに使うのが、「マグロ担架」というマグロ輸送専用の道具です。この担架には海水が入っているのですが、マグロ1匹がちょうど入るくらいの大きさしかなく、きゅうくつで自由には泳げません。マグロにとっての大きな試練です。作業は2人1組で行なうのですが、いかに速く、いかに振動させずに運ぶかがカギとなります。

 このように、長時間、長距離を移動し、きゅうくつな担架の試練を乗り越え、ようやくマグロが水族園にたどり着くのです。この旅のようすは2階の情報資料室のオリジナルビデオ「水族園のマグロ」でも紹介しています。マグロたちがたどった道をいっしょに追ってみてください。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 田辺信吾〕

(2007年6月15日)



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