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カエルの産卵が始まりました!──葛西 2007/02/23
 今年の冬は例年になくあたたかい日が続いていますが、水の中は5℃まで下がるとても寒い世界です。あまりに冷たくて、1分も手を入れてはいられません。

 葛西臨海水族園の「水辺の自然」エリアの裏側には、一年中かれることのない水たまりがあります。毎年ここに、たくさんのアズマヒキガエルが産卵にやってくるので、私たちはここを「カエル池」と呼んでいます。

 先日、春一番が吹き荒れ、都内の交通に影響をおよぼすほどあたたかい嵐の日がありました。これを待っていたかのように、どこからともなく、たくさんのアズマヒキガエルがカエル池に集まってきました。

 まだまだ枯れ草一色、しずかな冬景色の水辺ですが、ちょっと裏に入ると、集まったアズマヒキガエルが「ククク」といそがしそうに鳴いています。オスたちがメスを待っているのです。この後で、いっせいに産卵が始まります。

 「水辺の自然」には、毎年産卵にやってくるカエルがほかにもいます。最初はニホンアカガエル、そしてアズマヒキガエル、つづいてヤマアカガエルの順番です。そして5月ごろ、ニホンアマガエルも産卵。水族園では計4種類のカエルが自然繁殖をしています。

 このエリアでは、来園者のみなさんから見えない場所で、カエルが生息しやすい環境作りのための工夫をいろいろとこらしています(詳細については、別の機会にご報告します)。1種でも多くのカエルが定着してくれるよう、今後も努力を続けていこうと思っています。

 ニホンアカガエルは1月に産卵しました。卵の一部を「田んぼ」水槽へ移したところ、先日ようやく孵化が始まりましたので、卵とオタマジャクシがごらんになれます。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 中村浩司〕

(2007年2月23日)



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