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珍しいウミウシ、ハナデンシャ──2006/11/25

 葛西臨海水族園では、東京の海エリアにある「10min 実験展示コーナー」のトピック水槽で「ハナデンシャ」の展示を始めました。ハナデンシャは、体長最大約15センチになる大型のウミウシの一種です。半透明の体に、朱色や黄色、白色の大小多数の突起物があり、とてもカラフルな色をしています(写真)。

 主に暖海(水温の高い海)の泥っぽいところに生息しますが、水中をプカプカ漂っていたりすることもあるようです。展示している個体は、2006年11月、鹿児島県の笠沙(かささ)で採集されました。じつは、なかなかお目にかかれない、珍しいウミウシなんです。

 ハナデンシャという名前を聞いて懐かしく思った年代の方もいるかと思います。そのむかし、市街電車が走っている街では、祭りなどが開かれると、花飾りや電飾をいっぱいつけた「花電車」が走りました。夜には美しく光り輝く装飾電車です。このウミウシの名前は、まさに花電車に由来しています。

 私はまだ見たことがありませんが、ハナデンシャは刺激を受けると体のまわりがパッと瞬間的に青白く光るそうです。きっと夜の花電車を思わせるような光りかたなのでしょう。

 展示水槽ではハナデンシャを光らせることはしていませんが、光らなくても、十分美しいすがたをしています。なかなか見ることができない珍しいハナデンシャを、葛西臨海水族園にぜひ見に来てください。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 鈴木聡子〕

(2006年11月25日)



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