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アオウミガメ、順調に育っています!!
 ──葛西 2006/09/22

 みなさんは「カメ」と聞くと、リクガメやヌマガメを想像するかと思います。ウミガメとリクガメ・ヌマガメとのちがい、わかりますか? じつは、ウミガメの頭は甲羅の中に引っこまないのです。そのため、頭蓋骨がとてもじょうぶにできています。

 また、脚が前後に2本ずつあるのは同じですが、ウミガメの脚は両方とも船のオールのような形をしています。前脚は速く泳ぐために大きく、後脚は方向を変えやすいように幅広くなっており、それぞれに役割が違います。この脚をじょうずに使い、海の中を悠々と、そしてときには素早く泳いでいるのです。

 ウミガメのなかまは、年々数が減っています。原因としては、産卵場所の減少、他の野生動物による卵の捕食、海に流れているビニール等ゴミの誤食などがあげられます。日本では1990年から2000年にかけて、産卵例が約60%も減ったことが判明しており、この10年でウミガメの数もおよそ半分以下になっていると推測する報告があります。

 小笠原海洋センターでは、少しでも多くのウミガメを保護するために、卵を孵化させ、あるていどの大きさまで成長させ、ふたたび小笠原の海にかえすことを目的に活動しており、葛西臨海水族園では、ウミガメの展示を通じて、こうしたウミガメたちの窮状を多くの方に伝えようと努力しています。

 昨年(2005年)10月23日、小笠原海洋センターから1頭のアオウミガメの子どもをお借りしました。当時、甲長 5.5センチ、体重36グラムで、手のひらに乗る小さな子ガメでした。

 アオウミガメには、ワカメを中心に、キビナゴやシバエビ、アサリなどを与えています。現在甲長15センチ、体重約 440グラムに成長し、「東京の海」エリアの「伊豆七島の海」で展示しています。まだまだ体は小さいのですが、同じ水槽のウメイロモドキたちと優雅に泳いでいます。

 アオウミガメがどんな泳ぎ方をするのか、また、餌をどんなふうに食べるのか、ぜひ見に来てください。餌の時間は午後4時~4時30分ごろ(日によって時間は前後します)ですので、近くでアオウミガメを観察できるかもしれませんよ!

〔葛西臨海水族園飼育展示係 鈴木聡子〕

(2006年9月22日)



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