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ハチドリが彫刻に攻撃? 求愛?──多摩 2006/06/30
(2006年7月19日追記──下記記事公開後、残念ながらハチドリは死亡してしまいました。現在、昆虫生態園でハチドリは見られません。ご了承ください)

 たくさんのチョウが飛び回る多摩動物公園の昆虫ユートピア。ここには、ハチのように飛ぶ鳥、ハチドリがいます。大温室内で見られるのは、南米のペルーやエクアドルに分布するチャムネエメラルドハチドリで、全長約10センチ、体重は6グラムほどしかない小さな鳥です。

 広いユートピアの中に今、ハチドリは1羽しかおらず、見つけ出すのは一苦労。でも、来園者のみなさんがハチドリの存在に気づかないままお帰りになるのはもったいない。せめて温室内に、本当にハチドリがいることを知ってもらおう──そんな思いで、ハチドリとそっくりなバードカービング(鳥の彫刻)を設置してみました。

 すると、なんと本物のハチドリが、バードカービングの目の前で一所懸命ホバリング(静止飛翔)している光景を頻繁に見かけるようになりました。

 このバードカービングは、多摩市在住の小林英雄さんによる作品ですが、本物のハチドリから見ると、テリトリーをおびやかす侵入者なのか、はたまた、心ときめく恋愛の対象なのか、よくわかりませんが、少なくとも、単なる鳥の彫刻ではなく、生きた鳥だと認識されていることは、まちがいなさそうです。

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 松本徹郎〕

写真上:バードカービングを入れたケースの上にとまる本物のハチドリ
写真下:ホバリングする2羽。でも、本物はケースの外

(2006年6月30日)



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