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動物慰霊祭をおこないました──上野 9/27
 動物園に「動物のための慰霊碑」があると聞いて、意外に思われる日本の方はすくないと思います。でも、世界的に見ると、ユニークな存在なのかもしれません。

「人間の生活に役立ってくれた物や生き物のためにその霊を慰めるという習慣は、日本人特有のものなのでしょうか。あるいは民間信仰と関係があるのでしょうか。針供養や鯨塚などの儀式や碑は、私たち日本人には親しみ深いものです。針供養からもわかるように、命がないと思われている物ですら、日本人は供養してしまうのです。動物慰霊碑も、日本人の精神風土が生み出したものなのです。(中略)

 私の知るかぎり、欧米の動物園には動物慰霊碑がありませんし、お墓もありませんでした。自然を管理するという意識が強い欧米人は、西欧の合理主義からいっても物や動物に霊があるとは考えないのでしょう。」

(「東京動物園友の会」の機関誌「どうぶつと動物園」1988年10月号、成島悦雄「文化を通して動物を見る」より)

 上野動物園にも、現在解体中のゾウ舎の前に動物慰霊碑があります。お彼岸の中日、9月23日に動物慰霊祭を開催しました。2002年の9月から今年の8月まで、1年間に死亡した動物たち184種497個体のための慰霊祭です。

 代表動物として、昨年10月25日に38歳で死亡したアジアゾウのメナム(オス、飼育年月は37年6か月)が選ばれ、担当職員が弔辞を読み上げました。



 職員とともに、来園者のみなさんにも献花をしていただきました。もちろん、イベントには欠かせない、ラマのラーマくんも参加。ミゼットホースのトウキや、さらには、ボールニシキヘビ、ヒガシアオジタトカゲまで登場。慰霊祭をはなれて盛り上がっていた一角も……。



・「動物園ではたらく」の中の「動物園のお墓」は、広島市安佐動物公園の獣医師によるユニークなページ。「動物慰霊碑関連リンク」もあります。



・「東京動物園友の会」の資料請求はこちらの「入会資料申込み」から。



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