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活躍するホオアカオナガゴシキドリと新着鳥類
 ──上野 2005/10/07
◎ホオアカオナガゴシキドリ(キツツキ目ゴシキドリ科)

 上野動物園のバードハウス2階で2004年夏から「活躍」しているのが、ホオアカオナガゴシキドリ。2005年10月6日現在、1号展示室にオス2、メス2、3号展示室にメス1、4号展示室にオス1、メス2がいます(展示室の番号は前面ガラスの上部に掲示されています)。

 ホオアカオナガゴシキドリが「エライ」のは、ゴキブリを食べてくれること。バードハウスは暖房完備。年中暖かいのでゴキブリが増えるのですが、ホオアカオナガゴシキドリはゴキブリ退治に一役も二役も買っています。
 植物などといっしょ入ってきてしまうオガサワラゴキブリも減ったとのこと。なにしろ、土中でくらすこのオガサワラゴキブリを、ホオアカオナガゴシキドリは掘り出して捕まえてしまうのです。

 えさとして、バナナ、マンゴー、リンゴ、煮サツマイモ、パン、ゆで卵の黄身、シギ用ペレット(トキ用ペレット+フラミンゴ用ペレット+ネコ用ペレット)を与えていますが、ゴキブリもしっかり食べてくれます。

 ホオアカオナガゴシキドリのオスとメスの見わけ方は簡単です。右の写真をごらんください。のどに黒斑があり、頭頂部も黒っぽいのがオス。

 本種は、東アフリカに分布する鳥。乾燥した場所で、群れで生活しています。ひなに対して、両親だけでなく、群れの中の他の成鳥も世話をするのだとか。なお、「キツツキ目」といっても、木はつつきません。

◎ヒゲゴシキドリ(キツツキ目ゴシキドリ科)

 すぐ上↑のホオアカオナガゴシキドリと同じく、ゴシキドリ科の鳥。ゴシキドリは「五色鳥」で、頭や首に各種の色があることに由来するようです。しかし、このヒゲゴシキドリが変わっているのは、その名前の「ヒゲ」。

 ゴシキドリ科の鳥は、先のとがった太い円錐形のくちばしをもっていますが、ヒゲゴシキドリのくちばしのまわり、とくに下くちばしの付け根から「ヒゲ」が生えています。なんだか、こんなキャラクターが出てくるマンガがあったような……。みなもと太郎先生の作品?

 ヒゲゴシキドリは、バードハウス2階の4号展示室で、ホオアカオナガゴシキドリとコウカンチョウの2種と同居中。オス4羽で、メスはいません。2005年9月26日から公開しています。西アフリカに分布し、おもに植物を食べています。

◎シロハラハイイロエボシドリ(ホトトギス目エボシドリ科)

 すでに「東京ズーネットBB」でもご紹介した鳥。シロハラハイイロエボシドリの動画はこちらでごらんください(2004年10月24日撮影)。
 バードハウス1階の出口を出てすぐそばにある「バードケージ」の左端で、カンムリシロムクとケリと同居しています。

 2004年8月31日からメスを公開していましたが、このたびオスが来園し、 2005年9月15日から公開しました。ケンカもせず、なかよく暮らしています。雌雄のちがいは、くちばしの色。ニュースページの写真動画に映っているのは、去年撮影なのでメス。緑がかった白のくちばしがメスで、黒っぽいくちばしがオスなので、すぐ見わけられます。
 エボシドリ類は、サハラ砂漠以南のアフリカに分布する鳥。シロハラハイイロエボシドリも、名前のとおり、頭に「烏帽子」(えぼし)をのせているように見えます。

 ちなみにエボシドリ類は英語で turaco と呼ばれることが多いようですが、ハイイロエボシドリは go-away bird。直訳すると「アッチ行け鳥」ですが、これは鳴き声が go-awayと聞こえるから、だとか。上記動画で鳴き声を聞いてみてください。「コラッ」と聞こえる、という日本人も。

(2005年10月7日)



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