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リキちゃん、勘違いしててゴメン──大島 5/20
 ゴールデンウィーク直前の2005年4月27日、毎年恒例のアルダブラゾウガメの引越しをおこないました。当日はよいお天気に恵まれて暖かくなり、元町保育園の皆さんが見守る中、ゾウガメたちは冬のあいだ過ごしていた温室から広い運動場にいっせいに駆け出していきました。

 引越しに先立つ4月23日には悲しいできごとがありました。1995年に来園したリキが死亡したのです。ここ数年のリキは、食欲もなく体調もすぐれなかったので、死因を調べるために獣医がさっそく病理解剖をおこないました。
 しかし、昨年11月に測定した体重は、なんと 129.4キロ。解剖するのも一筋縄ではいきません。4人がかりで解剖室に運び、背甲と腹甲の間をのこぎりで切断して開腹したのでした。甲羅の厚みは最大で5センチ。腹甲だけで重さが11キロもありました。

 しかし、それよりも臓器を見てびっくり! 今までオスだと思っていたリキが卵巣を持っていて、メスだったことがわかりました。カメは一般に尾で雌雄を見分けますが、ゾウガメはふだん尾をお腹の下に巻き込んでいるため、私たちはリキの大きな体つきからオスだと勘違いしていたのです。

 さらに、せっかくの機会なので前足・後足に墨汁をつけて「手型・足型」を取ってみると、前後で指の数がちがうという発見もありました。今後、この「手型・足型」をもとに実物大スタンプを作り、みなさんに利用していただく予定です。ふだんは見えないゾウガメの足の裏を、このスタンプで観察してください。
 亡くなってからもいろいろなことを教えてくれたリキちゃん。今までどうもありがとう。
〔大島公園動物園 田畑邦衛〕

写真上:ゾウガメの引っ越し
写真下:死亡したリキ

(2005年5月20日)



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