上野動物園、国立科学博物館、東京国立博物館では、毎年5月18日の「国際博物館の日」にちなんで、各施設の研究員や解説員といっしょに3つの施設をめぐる「上野の山で動物めぐり」をおこなっています。
2007年の初回から今回で11回目を迎えた動物めぐり。今年のテーマは…「キジ」!
日本の国鳥でもあるキジ。キジ科のなかには、ニワトリのように私たちにとって身近なものから、クジャクやライチョウ、鳳凰のモデルとも言われるセイランなど、さまざまな種類がいるのをご存知ですか?
「めぐり」のスタートは、上野動物園から。
キジからクジャクにいたるまで、とにかくオスが鮮やかな色彩をもつキジ科の仲間たち。まずは生きたキジ類の観察を通して「どのように美しいのか?」に迫りました。
 |  |
【上野動物園】キジ舎で観察 | 【上野動物園】解説のようす |
続いて、国立科学博物館ではオスとメスの違いを剥製でじっくり観察。
キジは「なぜ美しいのか?」というテーマについて、オスとメスの姿や行動の違い、つがい関係や子育てのしかたとの関係などの切り口から考えました。
 |  |
【国立科学博物館】キジの標本観察 | 【国立科学博物館】講義のようす |
3番目に、東京国立博物館でキジやクジャク、鳳凰をモチーフにした美術品を鑑賞し、実物の鳥との比較もまじえて作品の時代背景や表現などについて考察しました。
そして最後に、3つの施設をめぐって感じた疑問や発見を参加者全員で共有しました。
 |  |
【東京国立博物館】美術品の鑑賞 | 【東京国立博物館】解説のようす |

疑問や発見を共有するようす
キジをテーマに、3つの施設をめぐった参加者のみなさん。
「それぞれの施設によって見方が違い、とてもおもしろくキジについて学べた」、「さまざまな視点からものごとを考えて、感じて、興味深かった」、「同じように他の動物についても異なる施設をめぐってみたい」といった感想が寄せられました。
異なる種類の施設を、ひとつのテーマでつないで見る新しい楽しみ方。さまざまな文化施設が集まる上野の山で、ぜひみなさんも試してみてはいかがですか?
なお、ツアーは終了しましたが、3施設のキジ展示をめぐってキーワードを完成させると抽選で各施設のオリジナルグッズが当たる「
自分でキジめぐり」を6月11日(日)まで開催しています(※東京国立博物館の展示は6月4日<日>まで)。こちらも奮ってご参加ください。
〔上野動物園教育普及係 髙橋 直也〕
(2017年05月22日)