西園の不忍池の小さな島に、オオワシが2頭います。雌雄のペアで、いずれもケガをして、上野動物園に収容された個体です。ですので、どこかに飛んで行くことはありません。
そのオオワシが2005年2月23日に初めて産卵! これまで抱卵をしていました。交尾を確認していないので、たぶん無精卵ではないかと予想はしていました。
ところが、3月12日の朝、卵がなくなっていたのです……。
島は弁天門ちかくにあり、岸から数メートルしか離れていません。島に向かって左の方、今見ても凹んでいるのがわかると思いますが、そこで卵をあたためていました。本来、樹上に大きな巣をつくる鳥なので、これほど近くで見られるのはまれなことです。
この卵消失事件の有力な容疑者として、カラスが捜査線上に浮上しております。
産卵前も、ときどきカラスがオオワシにちょっかいを出していました。野生のオオワシにとっても、カラスは厄介者のようです。あんなに体が大きいのに~。猛禽類がきらいなカラスたちは、群れをなしてワシやタカを追い回したりするのです。そのため、猛禽類ウォッチャーは、カラスが騒いでいるのを手がかりにして、めざすワシやタカの存在を知ったりするのだとか。
卵は雌雄で交替しながら抱卵していました。姿勢をかえたり、少し巣から離れたりするときに、卵も見えました。その瞬間をとらえた写真が右。
でも、担当者の観察によれば、抱卵交替のときのタイミングが少し長く、「スキ」が見えたなー、とのこと。今度はぜひとも、繁殖につながってほしいものです。
・写真上:2005年2月24日撮影
・写真下:2005年2月23日撮影
・ちなみに
こちらは、NYマンハッタンのノスリが抱卵しているとのニュース(CNN.co.jp)。
(2005年3月17日)