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キンカジューの子どもが姿を見せるようになりました
 └─上野  2016/03/18

 上野動物園西園の小獣館で2016年3月に入ったころから、キンカジューの子の姿が見られるようになりました。生まれたのは2015年12月10日なのですが、生後2〜3か月は親が巣箱の中で世話をします。その間、巣箱を覗きこまないかぎり子のようすはわかりません。ようやく自分で出歩くようになり、おぼつかない足取りで枝の上を渡っていることもあります。


 キンカジューは中南米の熱帯雨林に生息するアライグマ科の動物です。アライグマは小動物や植物も食べる雑食性ですが、樹上でくらすキンカジューは、おもに果実や花の蜜などを食べます。長い尾は木の上を走る際にバランスをとるのに役立つだけでなく、木に巻きつけて体を支えることもできます。

 2007年にペアで展示を始め、2012年に初めて繁殖に成功しました。以来、毎年1頭ずつ生まれ、現在6頭の家族になりました。ちょうど1年前に、以前いた部屋が手狭になったので、現在の大きい部屋に引越しをしました。新しい部屋でも繁殖できるか、落ち着いて子育てができるかなど心配しましたが、無事に育って安心しました。

 子どもはまだ巣箱の中で休んでいることが多く、姿が見られるのは餌やり時間の2時半〜3時ごろ。おとなたちがバタバタと走り回っている中、一回り小さい体で、必死に枝や餌台にしがみついているのが子どもです。えさの食べ方も違っていて、おとなはに手で持ってじょうずに食べる一方、子どもは直接口から食いつきます。しかし、こうしておとなと同じものを食べるようになると、ぐっと成長も早まります。まだ幼さが残るキンカジューの子が見られるのは今のうちだけです。

〔上野動物園西園飼育展示係 森久保秀〕

(2016年03月18日)


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