現在、いきもの広場の池にはアズマヒキガエルのオタマジャクシが泳いでいます。すっかり春模様になり、小さな生き物たちが次々と活動をはじめました。1か月前はひっそりと静まり返っていたのがうそのようです。
まだまだ寒かった2月末には、今年度最後の維持管理作業をおこないました。メインイベントは「ゲンゴロウ池」の落ち葉さらい。水質維持のため、いったん池の水を抜き、秋の間に池に溜まった落ち葉をできる限り取り除きました。
今年は冬の維持管理作業が例年より遅くなってしまったので、アズマヒキガエルが先に産卵に来てしまわないか、心配しながら実施日を迎えました。池の中には越冬中のヤゴもたくさんいます。落ち葉にまぎれたヤゴを救出しながらの、根気のいる作業でした。
アズマヒキガエル。左:成体 右:卵塊
ボランティアのみなさんの協力も得ながらなんとか作業を終え、池に水をためていると、水面から顔を出しているアズマヒキガエルを職員が発見! 今シーズン初めての発見に胸がおどりました。なんとその2日後、きれいになった池にはアズマヒキガエルの卵がありました。今年も産卵してくれたことをうれしく感じるとともに、落ち葉さらいが無事間に合ったことに、あらためてほっとしました。
ビロードツリアブ
そして、ボランティアのみなさんとおこなった3月の観察会では、職員の間で「春の使者」と呼んでいるビロードツリアブも観察されました。ビロードツリアブは体全体が長い毛で覆われていて、それが「ビロード」の名の由来です。ストローのような口も特徴的で、とても愛らしいすがたです。空中で空から吊られたように静止している虫がいたら、それはビロードツリアブかもしれません。春にしか見ることのできない虫ですので、探してみてください。
4月からは毎週日曜日に開催します。ぜひ春のいきもの広場にお越しください。
〔井の頭自然文化園教育普及係(現・多摩動物公園昆虫園飼育展示係)古川沙織〕
(2015年04月03日)